Disc Review

The Deep End / Susanna Hoffs (Baroque Folk Records)

ザ・ディープ・エンド/スザンナ・ホフス

この人ってぼくよりちょっとだけ下、という、まあ、それなりのお年頃で。でも、わりと近年までミニスカートにピンヒール姿でリッケンバッカー抱えてばりばりステージでジャンプしていたりして。なんかかっこいいし、今なおかわいいし。去年のポール・サイモンへのトリビュート・コンサートでバングルス時代にカヴァーした「冬の散歩道(Hazy Shade of Winter)」を歌った映像もごきげんだった。最近はミニスカート姿じゃなくパンツルックでぺったんこ靴が多いけど、それもまたかっこいい!

バングルスのころも大好きだったけれど、今も大好き。そんな彼女が2年ぶりに新作アルバムを届けてくれた。ソロ名義でのフル・アルバムとしては、1991年の『ボーイの誘惑(When You're A Boy)』、1996年の『スザンナ・ホフス』、2012年の『サムデイ』、2021年の『ブライト・ライツ』に続く5作目ということになる。

まあ、合間合間にEPが挟まっていたり、マシュー・スウィートとの連名によるカヴァー・プロジェクトで2006年から2013年までの間に3作のコラボ・アルバムを出していたり、エルヴィス・コステロとかのアルバムに客演したり、映画『オースティン・パワーズ』への出演をきっかけに2003年にバングルスを再結成したり…。いろいろしてはいるのだけれど。

オリジナル・バングルス解散以降、30年以上に及ぶソロ・キャリアの中でソロのフル・アルバムがたった5枚というのはもったいない。今回もまた前作に引き続きカヴァー・アルバムなので、スザンナさんのオリジナルもそろそろ聞きたいなと感じたりもするけれど、いやいやこの独特の歌声の現在形に出会えるだけでばっちりか。うれしい限りです。

スザンナさん、今月、なんと初の小説『This Bird Has Flown』を発表。もろビートルズにインスパイアされたタイトルからして気になる一冊で。かつてヒット曲を出したもののその後鳴かず飛ばずのジェーンさんが主人公。マネージャーに命じられて再出発を目指しロンドンに向かう途中で偶然とある気になる男性と出会って…みたいな。自身の経験も活かしつつ、業界の裏話あり、ロマンスありの内容らしい。まだ英語版しかなくて、読んでないのでわからないけど。

で、どうやら本作はこの本と連動するような形で制作された1枚だとか。取り上げている楽曲とそのオリジナル発表年を収録順におさらいすると、ローリング・ストーンズの「アンダー・マイ・サム」(1966年)、ホリー・ハンバーストーンの「ザ・ディープ・エンド」(2022年)、ジョイ・オラドクン「イフ・ユー・ガット・ア・プロブレム」(2021年)、ファントム・プラネットの「タイム・ムーヴズ・オン」(2020年)、エド・シーランの「アフターグロウ」(2021年)、デニー・レインの…というより、コリン・ブランストーンのカヴァーでおなじみの「セイ・ユー・ドント・マインド」(1967年)、スクイーズの「ブラック・コーヒー・イン・ベッド」(1982年)、ココナッツ・レコーズの「ウェスト・コースト」(2007年)、ドディの「ウッド・ユー・ビー・ソー・カインド」(2017年)、ビリー・アイリッシュの「ホエン・ザ・パーティーズ・オーヴァー」(2019年)、ブランディ・クラークの「ポーン・ショップ」(2020年)、レズリー・ゴアの「ユー・ドント・オウン・ミー」(1963年)、そしてヤズーの「オンリー・ユー」(1982年)。

古くは1963年、新しくは2022年。半世紀以上というか60年近くのスパンを内包した面白いラインアップだ。それらを、かのピーター・アッシャーのプロデュースの下、リー・スクラー、ワディ・ワクテル、ダン・ダグモア、ラス・カンケル、アルバート・リーといった腕ききのベテラン陣をはじめ、レデシーなども参加して的確にバックアップ。

みずみずしく、のびのび、持ち味も活かしつつ、あの魅力的な歌声でカヴァーしまくってます。好感度、ずば抜けてます。

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