Disc Review

For the Good Times / The Little Willies (Milking Bull Records)

LW_FTGT

フォー・ザ・グッド・タイムズ/ザ・リトル・ウィリーズ

今年も楽しくいきましょう。

というわけで、年の初めではありますが。いきなり年頭に終わっちゃったものもあって。たとえば、『月刊萩原健太』。ずいぶんと昔、放送休止中の日曜深夜の時間帯を利用してラジオ日本でスタートした月イチのラジオ番組ですが。その後、いったん終了したものの、局を STAR digio に移して復活。宮治淳一とともに、めったに日本のラジオではかからないオールディーズの絶滅危惧曲(笑)の保護に勤しんできましたが。終わっちゃいました。残念です。いつも聞いてくださっていたみなさん、メールやお葉書を寄せてくださったみなさん、長らくありがとうございました。

まあ、もともと局を転々としてきた流浪の番組なので。うちで続けなさい、という奇特な放送関係の方がいらっしゃったらぜひ声をかけてやってください。どこでも行きます(笑)。まだまだ保護しておきたい名曲は尽きません。どこもないようなら、Live365 とかで独自に続けようかな。

というわけで、心機一転の2012年。こんなご時世に、年明け早々かなり忙しくて。ありがたいことですが。なかなか一息つけず、ブログも更新せずじまい。でも、次々と楽しい新作リリースがあって、日々楽しく過ごしてます。今回取り上げるリトル・ウィリーズもそんな1枚。ノラ・ジョーンズ、リチャード・ジュリアン、リー・アレキサンダー、ジム・カンピロンゴ、ダン・リーサーの5人によるサイド・プロジェクトによる6年ぶりのセカンド・アルバムです。まさか2枚目が出るとは思っていなかったこともあって。喜びもひとしお。

選曲的にはファースト・アルバム同様、スタンリー・ブラザーズ、スコッティ・ワイズマン、ハンク・ウィリアムス、ロレッタ・リン、ウィリー・ネルソン、ジョニー・キャッシュ、レフティ・フリゼール、ドリー・パートンなど、往年のホンキー・トンク・カントリー/ヒルビリーの雨アラレ。そこにメンバーによる新作とか、映画『夜の大捜査線』のサントラからの曲とか、変化球を混ぜ込んだ仕上がり。そうした楽曲群を、けっして郷愁にのみ頼ることなく、かといってむりやり“尖鋭的な空気感”とかワケの分からないものを盛り込むこともなく、自然体で、生楽器の響きと豊かな歌心だけを武器に、今の時代にナチュラルに甦らせている。素晴らしい。

すっかり世代別に音楽が作られ、聞かれ、語られる日本に暮らす者として、この柔軟かつ愛情に満ちた世代の飛び越え方/受け継ぎ方は本当にうらやましい。ベスト・トラックはアルバム・タイトル曲、クリス・クリストオファソン作の「フォー・ザ・グッド・タイムズ」でしょう。作者自身のヴァージョンもよかったし、レイ・プライスやペリー・コモ、エルヴィス・プレスリーの名唱もあるけれど。今回のノラ・ジョーンズのアプローチもお見事。別れの直前の奇妙に穏やかな心の動きみたいなものをノラが切なく綴っていて。泣けました。

国内盤とUS iTunes版とでボーナス曲が違ってました。

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