バイ・ジス・ナウ!/ユニ・ボーイズ
去年、ここで紹介したユニ・ボーイズ。パワー・ポップ・シーン、期待のバンド。新作、出ました。
パンク、サイケ・ロック、プログレなどの要素に影響されつつ、前作で見事パワー・ポップの勘所のようなものをつかんで。今回の新作ではそこからさらなる深みへ。手助けしたのは、なんとあのレモン・ツイッグスのブライアン&マイケル・ダダリオ兄弟。彼らをプロデューサーに迎え、ぐっと完成度を増した音世界を届けてくれた。
キャッチーでジャングリーでメロディアス。そんな魅力はそのまま、さらにビーチ・ボーイズっぽいコーラス・ハーモニーなどの要素も加わって。ばっちりじゃないですか。まあ、歌っていることは他愛もない恋愛の楽しさだったり痛みだったり、日々のなんてことない喜びだったりするわけだけれど。それもまたパワー・ポップの美学。
前作同様、今回もノア・ナッシュとレザ・マティンというフロントのツー・トップがそれぞれ6曲ずつを書き下ろした全12曲。ノア、レザ、ノア、レザ…って感じで交互に並んでます。二人とも曲作りの腕が上がったようで、曲によってはコード進行もより多彩で凝ったものに。その辺にもレモン・ツイッグス効果が現われているのかも。
マニアックになりすぎない、絶妙のポイントを無意識のうちに押さえている感じがいい。まさにパワー・ポップのワンダー・キッズ! まあ、こういう音楽なのでこれ以上言葉であれこれ語ることもできないのだけれど。とにかく楽しい楽しい、痛快な1枚でした。アルバム・タイトルで“買って!”とここまでストレートに言われちゃったら仕方ない。買います(笑)。もちろんCD出てますが、今回もAmazonはCDを扱ってないみたい。でも、こういうアルバムは断然アナログがいいから。キュレイション・レコードのWEBストアとか見るとレッド・ヴァイナルとかも出ているようなので、それ、がんばってゲットしようかな。