ミスター・ミック:2CDエクスパンデッド・エディション/スタックリッジ
今日は珍しく朝っぱらからずっとスケジュールが入っちゃっているので、『ブギウギ』見終えたあたりでもう出かけなくちゃいけなくて(笑)。
ブログ更新は思いきりちゃっちゃっといきます。今年の7月に、1971年のファースト『スタックリッジ』と1972年の『友情(Friendliness)』、8月に1974年の『山高帽の男(The Man in the Bowler Hat)』と1975年の『エクストラヴァガンザ(幻想狂詩曲)』がそれぞれ拡張エディションとして再発されたスタックリッジ。
当然の流れとして、1976年の『ミスター・ミック』も9月末に出ました。ご存じの通りこのアルバム、デイヴ・ローソンを加えた新生ラインアップで心機一転レコーディングされた意欲的コンセプト・アルバムだったものの、当時所属していたロケット・レコードが何やかやと注文をつけて、曲をカットしたり、歌詞を書き換えさせたり、オーダーを変更したり、ビートルズのカヴァー「ホールド・ミー・タイト」を冒頭に追加したり…。もともとバンドが意図したコンセプトなどどこかへすっ飛んだ、なんとも乱暴な形でのリリースに。
まあ、聞き手としては当時そんな事情はまったく知らず、このロケットからのリリースト・ヴァージョンを疑いなく受け止めていたし、確かになんだか捉えどころのないアルバムだなとは思いつつも、この形で聞き慣れちゃっていたので情が移ってはいるのだけれど。メンバーたちにしてみれば外部からの横やりに納得がいかなかったらしく、スタックリッジはこのアルバムを最後にオリジナル活動期に終止符を打つことになってしまったわけですが。
再結成などの動きを受けて2001年、もともとバンドが意図した形の『ジ・オリジナル・ミスター・ミック』が四半世紀の歳月を経てついにDAPレコードからお目見え。2006年にはロケット・レコードがリリースしたヴァージョンと、“オリジナル”ヴァージョンとを合体させた2枚組も出たりして。当初バンドが編み上げた『ミスター・ミック』が実はどれほど素晴らしいものだったかがようやく判明することになった、と。
で、今回の2CD拡張エディションも、やはりこの2種のヴァージョンを抱き合わせにした仕様。今さら言うまでもないことだけれど、オリジナル・ヴァージョンのほうが全体の流れもスムーズだし、物語がわかりやすいし、ジャケットとの関連も感じられるし。今回初めて本作に接するなんて方がいらっしゃるようならば、まずはディスク2のオリジナル・ヴァージョンのほうから聞いてみることを取り急ぎおすすめしつつ、ぼくは慌ただしく出かけちゃうのでありました。いってきまーす。