Disc Review

The Devil Always Collects / Brian Setzer (Surfdog Records)

ザ・デヴィル・オールウェイズ・コレクツ/ブライアン・セッツァー

最高だ。ほんと。ブライアン・セッツァー、2021年夏に出た『ガッタ・ハヴ・ザ・ランブル』以来2年ぶりのソロ・アルバム『ザ・デヴィル・オールウェイズ・コレクツ』。

先行して公開されたそこからのファースト・シングル「ガール・オン・ザ・ビルボード」を聞いたときから大盛り上がり。やっぱこの人、ごきげんです。この曲はカントリー・シンガー、デル・リーヴズが1965年に放ったノヴェルティ・ヒットで。相変わらずいいところカヴァーしてくる。リーヴズのオリジナルはトゥワンギーな低音ギターとの掛け合いで展開するタイトなトーキング・スタイル。それをブライアン・セッツァーはぐっとテンポアップして、サウンド的にもブースト。いつものグレッチのフルアコではなく、グレッチのソリッド・ギター、1957年製のデュオ・ジェット・ファイアーバードで大暴走! かっこいい。

ミネアポリスのザ・テラリアムでレコーディング。プロデュースはセッツァーとジュリアン・レイモンド。ミュージカル・ディレクターは盟友、ケヴィン・マッケンドリー。全11曲中、「ガール・オン・ザ・ビルボード」と、その作者のひとりでもあるウォルター・ヘインズ作の「ザ・リヴィング・デッド」、そして、なんとブリンズリー・シュウォーツ〜ロックパイルでおなじみ、ニック・ロウ作の「プレイ・ザット・ファスト・シング・ワン・モア・タイム」の3曲がカヴァーで。残る8曲がブライアン・セッツァーのオリジナル。うち5曲をブライアン・セッツァー・オーケストラの初期からちょいちょいタッグを組んできたマイク・ヒメルスタインと、1曲を奥さまのジュリーさんと共作している。

リンク・レイ、チャック・ベリー、クリフ・ギャラップ、ジェイムス・バートンら偉大な先達ギタリストたちへの敬愛が炸裂。ハードコアなロカビリーはもちろん、カントリー・ロック、ウェスタン・スウィング、スワンプ・ブギー、ジャンプ・ブルースなど痛快な音楽性の雨アラレだ。

今月末からはニュージャージー州レッドバンクを皮切りに、4年ぶりのツアー“ロカビリー・ライオット・ツアー”もスタートさせるとか。また来日もお願いします!

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