Disc Review

Everybody’s Buddy / Nic Clark (SideHustle/Little Village)

エヴリバディーズ・バディ/ニック・クラーク

コロラド生まれのメキシコ系アメリカ人、現在27歳のニック・クラーク。今なお Amazon の倉庫で働きながらレゾネイト・ギターを掻き鳴らし、ブルース・ハープを吹き、歌い、ブルースやフォークやカントリーなどルーツっぽい音楽性にマニアックなアクセスをし続けるごきげん君だ。

母親の許しを得てバーで演奏するようになったのが12歳のころだとインタビュー映像で語っていたから、パフォーマーとしてのキャリアはもう15年か。ぼくは今回初めて聞いたのだけれど、これがセカンド・アルバムらしい。ファースト『ラヴ・ユア・ライフ〜ソングズ・フォー・ザ・ホウル・ファミリー』は2021年、ノルウェー出身のブルース・ギタリスト、キッド・アンダースンのプロデュースの下、カリフォルニアで制作。対して、こちらは7弦だとか8弦だとかの変則ギターでおなじみ、チャーリー・ハンターのプロデュースの下、ノース・カロライナでレコーディングされている。

CD Baby からフィジカルがリリースされたのは4月ごろだったらしく。でも、そのときは全然気づいていなくて。7月半ばに始まっていたストリーミングに、ずいぶんと遅れて、先週くらいに気づいたもんで(笑)。なんだか妙なタイミングでのご紹介です。

J.B.ルノアの「グッド・アドヴァイス」だけがカヴァー。あとは共作も含めてニック・クラークのオリジナル。この人、家族や友人、知人など身近の周辺で起こった出来事を取り上げることが多いようで。11歳の夏休み初日にちょっと年上の従兄弟を突然亡くしたことをきっかけに書いたという曲とか、別の従兄弟の学校でのトラブルを歌った曲とか、かつて体験した凄絶な自動車事故のことを歌ったものとか、祖母の死を振り返るものとか…。

学生時代、太りすぎていることで友達から嘲笑されていた過去を相談したりもしていたという先輩ブルースマン、ジーノ・マッテオへの思いを綴ってみたり、 Amazon で働きながら知った、同じシフトで働く人たちが抱えている日々の問題を歌ってみたり、病気に苦しみながら医療費の高騰に悩む友人のことを歌っていたり、パニック発作に耐える友人のことを歌っていたり…。

そういった題材を、ラフなブルースや、ペダル・スティールなども導入したカントリーやフォークに乗せて歌う。適度に今っぽい編集感覚も発揮されていて。ゆるっと痛快。後追いで聞いたファーストのほうがキッド・アンダースンの手腕ゆえか、ちょっとタイトに仕上がっているようだけれど、こちらのゆるさもまたこの人らしいのかも。

リトル・ヴィレッジのサイトからたどってみたらこのWEBショップで6月発売ということでCDも売ってました。応援買いしちゃおうかな。アナログがあればいいのにな。一日も早く Amazon やめて音楽1本で生活できるようになることを祈ってます。がんばってねー。

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