NBPファイル vol.65:七夕記念2〜スターマンを探して
51年前、1972年の7月6日は“1980年代を生み出した日”と言われているのだとか。
というのも、この日、デヴィッド・ボウイが英BBCの『トップ・オヴ・ザ・ポップス』に出演して当時の最新シングル「スターマン」を披露。ボウイがミック・ロンソンの肩に手を回したりしながら妖しく艶めかしく展開したこのパフォーマンスが、やや保守的な傾向の強かった英国の視聴者たちの度肝を抜いてとんでもないセンセーションを巻き起こし、やがて1980年代に人気を博すことになる多くのミュージシャン、アーティスト、作家などがまだ無名のキッズだったころ、その“子供心”に強烈な印象と大きな影響を刻み込み、それぞれの導火線に火をつけたからなのだとか。
この日のパフォーマンスを見て人生を変えられたと発言しているのは、U2のボノ、キュアーのロバート・スミス、ボーイ・ジョージ、アダム・アント、クラッシュのミック・ジョーンズ、スパンダー・バレエのゲイリー・ケンプ、スミスのモリッシーとジョニー・マー、スージー・スー、トーヤ・ウィルコックス、デュラン・デュランのジョン・テイラーとニック・ローズ、デペッシュ・モードのデイヴ・ガーンなど。
いろいろなブート映像などでおなじみだったそのパフォーマンス、去年の50周年をきっかけにYouTubeでオフィシャル公開もされたので、ご覧になった方も多いことでしょう。
ということで、明日は七夕だし。スロウバック・サーズデイ恒例のNBPプレイリスト、今週は「スターマン」に触発された“星”ものでいってみましょう。去年は七夕が木曜日だったこともあり、やはりボウイの「スターマン」を1曲目に据えた“七夕記念、スターズ、ムーン&ミルキー・ウェイ”プレイリストを作りましたが。今回はその続編。前回が星、月、天の川など、いろいろな天体もの集だったのに対し、今回は星オンリーで。まあ、文字通りの星だけでなく、存在としての“スター”を扱った曲も含まれますが、その辺はテキトーに(笑)。
1曲目はやはり「スターマン」でいきます。が、前回はごく普通のヴァージョン。今回は“トップ・オヴ・ザ・ポップス”ヴァージョン。ついでに下のほうに出演時のパフォーマンス映像も貼っておきますね。今見たら特に何もおかしなものには見えないかもしれないけれど、半世紀ちょい前にはとんでもなく過激なプレゼンテーションだった、と。そんな感触を追体験しつつ、いろいろな時代の多彩な“星”ものともどもお楽しみください。
- Starman (Top of the Pops Version) / David Bowie (rec. 1972, remix 2022)
- Star 69 / R.E.M. (1994)
- Starlight, Starbright / Linda Scott (1961)
- You Don't Have to Be a Star (To Be In My Show) / Marilyn McCoo & Billy Davis Jr. (1976)
- Shooting Star / Bad Company (1975)
- Blue Star (The Medic Theme) / The Ventures (1964)
- Little Star / The Elegants (1958)
- Stars Fell On Alabama / Ricky Nelson (1961)
- Stars / Simply Red (1991)
- Dark Star (Single Version) / Grateful Dead (1968)
- Look For a Star / Gary Mills (1960)
- Stella by Starlight / Charlie Parker (1952)