NBPファイル vol.54:ラフ・アンド・ロウディ・ボブ
いよいよ本日、4月6日から大阪を皮切りにボブ・ディラン久々の日本ツアーが始まりますよー。
ぼくはディランが東京にやってくるのを今か今かと待ちわびているわけですが。気分もワクワク高まってきたところで、スロウバック・サーズデイ恒例のNBPプレイリスト、今週は当然のごとくディランでいきます。
まあ、今回のツアーはとりあえずオリジナル・スタジオ・アルバムとしては最新作に当たる『ラフ・アンド・ロウディ・ウェイズ』のリリースに合わせたものってことで。その新作からの曲と、パンデミック期間中に突如公開されたモノクロ映像作品『シャドウ・キングダム』で新鮮に再演していた過去レパートリーとを混在させたセットリストになっているみたい。ほんと楽しみ。
これを機会にボブ・ディラン入門しちゃおうかな、なんて方もいらっしゃるかな。そういう方向けの入門用プレイリスト作ろうかとも思ったものの、それには昨日発売になった日本独自編集の『ボブ・ディラン 流行歌集』って2枚組を聞いたほうがよさそう。これ、内容的には2010年版『The Essential Bob Dylan』そのままで。そのジャケットをディラン・サイドからの要望で浮世絵っぽいデザインに変更したもの。1960年代から2000年代まで視野に入れながら代表作36曲をざざーっと網羅している。天辰センパイによる充実のライナーノーツも付いているし。おかげでブックレットが分厚くなりすぎてプラケースが閉まりにくいくらいだし(笑)。
なので、入門編は安心してそちらにおまかせ。ぼくは普段ディランのベスト盤を作るときにはどうしても外されちゃいがちな1980年代末以降の作品群に注目。しかも『流行歌集』からは省かれちゃったものの中から、個人的愛聴曲を12曲ピックアップして並べてみましたよ。ほんとは「エヴリシング・イズ・ブロークン」でスタートしてラストを「ホエン・ザ・ディール・ゴーズ・ダウン」で締めたかったところですが、どちらも『流行歌集』にも入っているので、ぜひそちらで。
キャリアの長いアーティストの活動を俯瞰すると、どうしてももっとも強大なインパクトをシーンに対して与えた若き日の作品群に偏ってしまいがちになるわけで。ディランの場合だと1960年代から1970年代にかけての楽曲中心になる。それは仕方ないことだけれど。でも、それじゃもったいない。特にディランは、ね。近年のディランも、まじ、むちゃくちゃいいから。そんなことをこのプレイリストでちょびっとでも感じてもらえたらうれしいです。
さあ、来週はガーデン・シアター、通うぞ! おー!
- Summer Days / Bob Dylan (2001)
- Born In Time (Unreleased, "Oh Mercy") / Bob Dylan (1989)
- 'Til I Fell in Love with You (2022 Remix) / Bob Dylan (1997)
- False Prophet / Bob Dylan (2020)
- Moonlight / Bob Dylan (2001)
- 7 Deadly Sins / Traveling Wilburys (1990)
- Dirt Road Blues (2022 Remix) / Bob Dylan (1997)
- I Feel a Change Comin' On / Bob Dylan (2009)
- Beyond the Horizon / Bob Dylan (2006)
- Cold Irons Bound ("Masked and Anonymous" version) / Bob Dylan (2003)
- Long and Wasted Years / Bob Dylan (2012)
- Shooting Star / Bob Dylan (1989)