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Disc Review

Shines Like Gold / The Weight Band (self-released)

シャインズ・ライク・ゴールド/ザ・ウェイト・バンド

ジム・ウィーダー(ギター)、ブライアン・ミッチェル(キーボード)、マット・ゼイナー(キーボード)、アルバート・ロジャース(ベース)、マイケル・ブラム(ドラム)という腕きき5人が集まり、かつてザ・バンドが体現していた佳き頃の米国ロックの美学を、確かなパースペクティヴをもってこの21世紀に受け継ぐ頼もしい男たち、ザ・ウェイト・バンド。

2019年8月に実現した感動的な来日公演の模様を収めた『ライヴ・イン・ジャパン』(2019年)とか、その来日直後、ウッドストックで行なわれたアコースティック・コンサートのリハーサルと本番の様子を抜粋して記録した『アコースティック・ライブ・フロム・ビッグ・ピンク&レヴォン・ヘルム・スタジオ』(2019年)とか、ブルックリンで収録された『ライヴ・イズ・ア・カーニヴァル』(2020年)とか、この人たちの場合、ライヴ・アルバムのリリースが多くて。まあ、そういうライヴ盤の場合は当然、彼らのコンサート同様、ザ・バンドのレパートリーのカヴァーをメインに据えた構成になっているのだけれど。

もちろん、そういうのもいいのだけれど。ジム・ウィーダーらメンバー自身が書き下ろしたオリジナル曲を中心にしたスタジオ・アルバムもなかなかの出来。2018年の初スタジオ・アルバム『ワールド・ゴーン・マッド』とか、ごきげんだった。ジム・ウィーダーと、すでに脱退してしまったもののバンドの立ち上げに大きく貢献したマーティ・グレブ(キーボード)が核となって書き下ろしたオリジナル・ナンバーを中心に、グレイトフル・デッドやレイ・チャールズ、ボブ・ディランなどのカヴァーを交え、まさにザ・バンドがかつて担っていたリアル・ウッドストック・サウンドを盤面に再現してみせた1枚だった。生前のリヴォン・ヘルムと共作した未発表曲も2曲含まれていた。

で、それに続く待望のオリジナル・スタジオ・アルバム第2弾が出た。それが本作『シャインズ・ライク・ゴールド』。プロデュースを担当しているのは、去年の新作『ブロウ』を本ブログでも取り上げたことがあるギタリスト/ソングライター/プロデューサー、コリン・リンデンだ。後期ザ・バンドの『ジェリコ』や『ハイ・オン・ザ・ホッグ』といったアルバムにもサポートで参加していた。ちなみに、『ジェリコ』に収録されていた後期ザ・バンドの代表曲「レメディ」はジム・ウィーダーとコリン・リンデンの共作曲だった。

レコーディングは2020年の暮れ、ニューヨーク州ダッチェス郡、ハドソン川上流に位置するラインベックという街にあるクラブハウス・スタジオで。収録曲の大半をジム・ウィーダーとコリン・リンデンが共作している。ブライアン・ミッチェルも2曲を提供。ラストに収められている「イット・ドント・メイク・センス(イフ・ユー・キャント・メイク・ピース)」のみ、ウィリー・ディクソンが晩年に発表したブルースのカヴァーだ。

『ワールド・ゴーン・マッド』もオリジナル中心の1枚だったとはいえ、そこそこカヴァーも含まれていたことを思うと、かなりのステップアップという感じ。もはやライヴにおけるザ・バンドのレパートリーの完璧な再現ぶりという明快なセールスポイントを抜きにしても、このウェイト・バンドが確実にザ・バンドのDNAを受け継ぐ者たちであることが誰の耳にも明らかになった、かな。

“つらい時代は去っていく/そう信じている/私たちはこれから金色に輝く、と…”というアルバム表題曲の歌詞が、ウイルスだ戦争だととてつもない混乱に誰もが翻弄されている今、やけに泣けます。

すでにデジタル・リリースが4月1日にスタート。フィジカルは本国アメリカで4月15日発売だとか。ちょっと先ですが、5月18日になると国内盤(Amazon / Tower)も出ます。ライナー、書かせてもらってます。光栄です。

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