Disc Review

One Year: 50th Anniversary Edition / Colin Blunstone (Sundazed)

一年間:50周年記念エディション/コリン・ブランストーン

今年は1972年からちょうど50年ということで。1972年に出た名盤の50周年記念盤が、また続々登場するんだろうなぁ。

ソロ・アーティストものだと、ランディ・ニューマン『セイル・アウェイ』、ハリー・ニルソン『シュミルソン二世(Son of Schmilsson)』、ニール・ヤング『ハーヴェスト』、ジョニ・ミッチェル『フォー・ザ・ローゼス』、トッド・ラングレン『サムシング/エニシング』、ジャクソン・ブラウン『ファースト(Saturate Before Using)』、ニック・ドレイク『ピンク・ムーン』、デヴィッド・ボウイ『ジギー・スターダスト(The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars)』、エルトン・ジョン『ホンキー・シャトー』とか。

ソウルものだと、カーティス・メイフィールド『スーパーフライ』、スティーヴィー・ワンダー『トーキング・ブック』、ビル・ウィザース『スティル・ビル』、アレサ・フランクリン『ヤング、ギフテッド・アンド・ブラック』、アル・グリーン『レッツ・ステイ・トゥゲザー』とか。

グループものなら、ローリング・ストーンズ『メイン・ストリートのならず者(Exile On Main St.)』、スティーリー・ダン『キャント・バイ・ア・スリル』、ドゥービー・ブラザーズ『トゥールーズ・ストリート』、オールマン・ブラザーズ・バンド『イート・ア・ピーチ』、ザ・バンド『ロック・オヴ・エイジズ』、ニッティ・グリッティ・ダート・バンド『永遠の絆(Will The Circle Be Unbroken)』、ビッグ・スター『#1レコード』とか。あ、あと忘れちゃいけない、ビーチ・ボーイズ『カール・アンド・ザ・パッションズ〜ソー・タフ』ね。

ジャズでもマッコイ・タイナーとか、チック・コリアとか、アーチー・シェップとか、いろいろあるし。まあ、何ひとつ具体的なリリース予定を知っているわけではないんだけど(笑)。でも、いろいろ出るに違いない。お金ためとかないとなぁ。

とか思っていたら、去年出た50周年記念盤の取りこぼしが、まだありましたよ。1971年も名盤の多い年だったから。追いかけきれず、すっかり見逃していました。てことで、今朝は超遅ればせながら、1971年に出た名作アルバムの50周年記念盤をご紹介。

コリン・ブランストーンです。ゾンビーズのリード・シンガーとしておなじみのブランストーンが1971年にリリースしたファースト・ソロ・アルバム『一年間(One Year)』。その発売50周年記念盤が去年の11月末に出てました。今ごろになってようやくゲットしました。ぼんやりしてました。大好きなアルバムなのに。不覚。

まあ、これまで何度も何度もCD化再発が繰り返されてきた盤なので。今さらといえば今さら。内容に関して特に語るべきこともないのだけれど。

でも、今回はさすがに50周年ってことで。なんと計14曲がボーナス追加されている。内訳としては、まずアルバム収録曲のデモが3曲。ロッド・アージェントがピアノで参加した「さよならキャロライン(Caroline Goodbye)」と「きみの側へ行かせて(Let Me Come Closer to You)」、さらにダンカン・ブラウンがナイロン弦ギターで参加した「きみは遠く離れているけれど(Though You Are Far Away)」。それに加えて、アルバム未収録曲の弾き語りホーム・デモがさらに11曲。すごい。大盤振る舞い。

ご存じの通り、このアルバムはゾンビーズがいったん解散した後、バンド・メイトだったクリス・ホワイトとロッド・アージェントがプロデュースした1枚で。ロッド・アージェント率いる新バンド、アージェントの面々がバックアップした「彼女はみんなの愛し方が好き(She Loves the Way They Love Her)」「さよならキャロライン」「メアリー,ぼくのベッドを暖めて(Mary Won't You Warm My Bed)」でのポップ・アプローチももちろん魅力的だったけれど。

それ以上に残る7曲、「スモーキー・デイ」とか「きみは遠く離れているけれど」とかティム・ハーディン作品をカヴァーした「ミスティ・ローゼズ」とかデニー・レイン作の「構わないと言って(Say You Don't Mind)」とか、ストリングス・カルテットを導入した室内楽っぽいメランコリックな楽曲群が素晴らしく。

動と静というか、陽と陰というか。両者のニュアンスがいい感じに交じり合う、内省的でありながら心地よくポップ、みたいな。不思議な吸引力を放つ傑作アルバムで。その吸引力をめぐる謎が、今回初お目見えしたデモ・ヴァージョンたちのおかげで少しだけ解けたような気も…。

このボーナス音源だけで『ザット・セイム・イヤー』というタイトルのもと、やはり去年の11月にストリーミング配信がスタートしていたけれど(Apple Music / YouTube Music)。フィジカルCDだと、オリジナル・アルバム収録の10曲と、これらボーナス14曲、計24曲が1枚に詰め込まれている。お得な感じ。うれしい。コリン・ブランストーン本人が書いたライナーも興味深い。

今月下旬だか来月だかには国内流通盤も出るようです(Amazon / Tower)。本編とボーナス、2枚に分けて収録したアナログ(Amazon / Tower)もあったみたいだけど、今んとこ在庫切れみたい。しまった。出遅れた…。

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