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Disc Review

Blue Summer / Cayucas (Park The Van)

ブルー・サマー/カイユーカス

フォクシジェンを世に送り出したことでもおなじみ、リチャード・スウィフトのプロデュースで2013年にアルバム『ビッグフット』でデビューを飾ったカリフォルニア州サンタモニカ本拠のカイユーカス。双子のザックとベンのユーディン兄弟によるビーチ・ポップ系のインディー・ユニットだ。デビュー直後はヴァンパイア・ウィークエンドあたりと比べられたりとかもしていて、ちょっと注目を集めたものですが。

新作、出ました。4作目かな? もともとビーチ・ボーイズとかの古いレコードをサンプリングして、そこに宅録でオケをダビングしたりして、陽気なんだか陰気なんだかわからない、不思議な世界を構築してきた彼ら。今回も持ち味全開だ。というか、60年代サーフィンものとかサンシャイン・ポップとか、その辺へのマニアックな偏愛ぶりをこれまで以上にストレートに表出した感もあり。

ただし、そんな思いを熱く熱く提示するのではなく、今どきのオタク感で淡くクールに包み込んだ仕上がりになっているところがこの人たちっぽい。ちなみに、『ビッグフット』を初めて聞いたときにも思ったことだけれど、この人たち、エレクトリック・ギターの音色の決め方が秀逸だ。センスを感じる。

もちろん宅録っぽいインディー感は変わらず。オープン・エアっぽい音楽への愛情を炸裂させつつ、ベッドルームで構築したチェンバー・ポップというか。初期ベックっぽくトボけた感じに歪んでいて面白いです。夏とビーチへの愛憎がメロウに交錯するパステルっぽいラヴレターみたいな? いや、テキトーすぎてワケわかんないな、この表現。すんません。却下(笑)。

もろにブライアン・ウィルソン的なバリトン・ギターだかベースだかのラインを活かしつつ真っ向から「グッド・ヴァイブレーションズ」の構成をパクったみたいな曲があったり、「サーフィンUSA」を小声でパクった(笑)みたいな曲があったり、ずばり「カリフォルニア・ガール」(“ガールズ”ではなく…)ってタイトルの曲があったり、フィル・スペクターの音壁サウンドとは真逆のミニマムな音像で「ビー・マイ・ベイビー」にアプローチしたみたいな曲があったり。

オープニング・チューン「イエー・イエー・イエー」で繰り返される“We’re feelin’ mellow yellow in the parking lot”なんて歌詞、ちょっとぐっときます。

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© 2020 Kenta Hagiwara