Disc Review

Cosmic Thing (30th Anniversary Expanded Edition) / The B-52's (Rhino)

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コズミック・シング(30周年記念エクスパンデッド・エディション)/The B-52's

昨日に引き続き、今朝も米ライノ・レコードからの再発もの。B-52'sです。彼ら、現在、デビュー40周年記念全米ツアー中だとか。40年か。そうだよなぁ。『警告! THE B-52'S 来襲』ってとんでもない邦題のデビュー・アルバムが出たのが1979年。当時ぼくは大学を卒業して、某出版社の編集者として働いていて。あんまりコンテンポラリーな音楽シーンに興味が持てず、オールディーズの世界に埋没していたのだけれど。

そんなぼんやりした耳にも、しかし、B-52'sはガツン!とおいしいショックをもたらしてくれたものだ。ジョージア州アセンズで結成。中心メンバーのフレッド・スナイダーをはじめ、ケイト・ピアソン、シンディ・ウィルソン、キース・ストリックランド、そしてリッキー・ウィルソンという男3+女2の5人編成。80年代に入ってから、ニューヨークでフレッド・スナイダーにインタビューしたことがあったけれど、いかれた部分と、ものすごくクールな部分とが絶妙に共存していて、面白かった。

でも、なんたってギタリストのリッキーだ。彼が弾くモズライト・ギターの響きがやばかった。3弦外してるんだっけ? そんな妙なセッティングのギターから繰り出される「ロック・ロブスター」のリフとか、今聞いてもごきげんだ。ロックンロール史上に残る傑作ダンス・ポップだと思う。その後、85年にリッキーが亡くなるという大事件を経て、一時は解散かとも噂されたけれど、88年に残されたメンバーが再結集。心機一転、翌89年にリリースされたアルバムが『コズミック・シング』だった。

このアルバムがまた最強で。驚異のパーティ・ロックンロール「ラヴ・シャック」も含まれていて。むちゃくちゃかっこよかった。たとえばフレディ・キャノンとか、ゲイリー・US・ボンズとか、チャビー・チェッカーとか、ロッキー・フェラーズとか、ロイヤル・ティーンズとか、そういった類いの…まあ、要するに普通のロック・ヒストリーのもとでは、あまり見向きもしてもらえなそうなバカ陽気なR&B/ロックンロールの伝統を見事に、一身に、受け継いでみせた傑作だった。

プロデューサーとして関っていたドン・ウォズの力も大きかった。あのアルバムをきっかけに、ぼくも個人的にドン・ウォズの動向がめいっぱい気になりだしたものだ。と、そんな大傑作のリリースから今年で30年。ということで、出ました、30周年記念エクスパンデッド・エディション。

2枚組に拡張されていて。ディスク1にはリマスタリングされたオリジナル収録曲に加え、リミックスや別ヴァージョンをボーナス追加。ディスク2は1990年にテキサスで収録された“コズミック・ツアー”からの未発表ライヴ音源が16曲。このライヴがかなりよくて。けっこうテキトーにやっていそうなキャラなのに、演奏も歌もちゃんとしてるし。うまいし。でも、勢いもあるし。

やっぱ、ロックンロールはいいね!

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