Disc Review

Green Balloon / Tank & The Bangas (Verve Forecast)

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グリーン・バルーン/タンク&ザ・バンガス

ニューオーリンズ出身のバンド、タンク&ザ・バンガス。2017年にNPRタイニー・デスク・コンテストで優勝し、一気に注目度を上げた彼らのメジャー・デビュー・アルバムが出た。連休中にウォーキングしながら聞いたたくさんの新作アルバムの中でいちばん楽しめたかもしれない1枚。先行シングルの「スペイスシップス」を聞いて、こりゃかっこいいと盛り上がったのは確か去年の秋ごろだったか。あのとき抱いた期待感をきっちり満足させてくれる仕上がりです。

2013年にインディーズからリリースされた初スタジオ・アルバム『シンク・タンク』も、音楽的にはかなり多彩な内容ながら、音作りそのものに関してはわりと真っ当にバンド寄りのアプローチを展開。翌年のライヴ盤『ザ・ビッグ・バン・セオリー』も、もちろんライヴだけに同様の感触だった。それに対して、ヴァーヴ・フォアキャストからの第一弾にあたる本作での彼らは、より一層、根源的な部分から変幻自在さをのびのび炸裂させている印象だ。

曲によってロバート・グラスパー、ジャック・スプラッシュ、マーク・バトソン、ゼイトーヴェン、ルイ・ラスティックらをプロデューサーとして迎え、ヒップホップ、R&B、ジャズ、ゴスペル、さらには映画音楽調…など、多彩な音楽要素を、ポップに、軽々と、かつイマジネイティヴに交錯させてみせる。生楽器とデジタル楽器、詩情と哲学、シリアスとコメディ、子供と大人、ハイファイとローファイ…など、様々なイメージがアルバム中に境界なく共存。ヘタすれば思いきりとっちらかってしまいそうなところだが、七色の声色を柔軟かつ巧みに駆使しながら全編を貫くリード・シンガー、タリオナ・“タンク”・ボールの歌声がすべてをひとつにまとめあげている。

ナレーションSEでスタート後、重めのヒップホップ・ビートで不敵にテーマを奏でたかと思うと、いきなりストリングスによるチェンバー・アンサンブルをバックに変拍子でスウィングするパートに突入して、クラシカルな奥行きをたたえたコーラルを一瞬挟んで、やがてラップが切り込んできて…みたいな「ハッピー・タウン」って曲とか、けっこうスリリング。クラクラする。このバンドの現在の有り様をもっとも端的に表わした1曲かも。

インディーズ時代からの成長ぶりが半端じゃない。タリオナさんが自身の経験をいきいき活かしながら綴る歌詞も、刺激的な言葉遊びとかたくさん盛り込まれていて、そうとう面白そう。でも、そこまではまだ全然味わいきれてません。悲しいかな、ぼくの英語力では限界です。グリーンという色に託されたイメージも深そうだけど、言葉数、多くて…(笑)。

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