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Disc Review

Marigold Sky: Expanded Edition / Daryl Hall & John Oates (U-Watch Records/BMG)

マリーゴールド・スカイ:エクスパンデッド・エディション/ダリル・ホール&ジョン・オーツ

数日前、ダリル・ホールのソロ・ワークスをまとめた2枚組ベストというのを紹介したけれど。それにちょっとだけ先駆け、ホール&オーツにとって、なんというか、こう、“隠れ名盤”的な1枚と言っていいのかな、1997年の『マリーゴールド・スカイ』の発売25周年を記念した拡張エディションというやつも再発された。

ほんと、隠れてるというか(笑)。以前、ホール&オーツのキャリアを総括する4枚組ボックス『ドゥ・ホワット・ユー・ウォント、ビー・ホワット・ユー・アー』ってのが出たことがあって。黄金期を築いたRCA在籍時代を基本に、アトランティック時代、アリスタ時代と、レーベルを超えた音源でほぼ年代順に彼らの歩みをたどる構成になっていたのだけれど、1977年のアルバム『裏通りの魔女(Beauty On A Back Street)』と1997年の本作『マリーゴールド・スカイ』からは1曲も収められておらず。その2作ともけっこう愛聴していたぼくとしては、ちょっとたじろいだものですが。

まあ、やはり1980年代を中心に、ブルー・アイド・ソウル感覚満載の代表曲を数多く放ちながら無敵状態でヒット街道を驀進したデュオだけに、1970年代とか1990年代とかへの振り返りが薄めになるのも仕方ないのかなとは思っていたけれど。そうした、ある種“失われた時期”にも目を向けるフェイズに入ってきたのかな、と。今回の再発を受けてうれしく感じております。きっと多くのホール&オーツ・ファンの方々もそう思っていることでしょう。

彼らにとって15作目のオリジナル・アルバムにあたる『マリーゴールド・スカイ』は、前述したようなアトランティック、RCA、アリスタなどメジャー・レーベルをあえて離れ、自身が設立したプッシュ・レコードからインディーズ・リリースしたもの。アリスタからの最後のリリースとなった1990年の『チェンジ・オヴ・シーズン』から7年。次作にあたる2003年の『ドゥ・イット・フォー・ラヴ』まで6年。まあ、ライヴ盤のリリースとかはあったとはいえ、デュオ名義によるスタジオ・アルバムとしては確かに、こう、ぽつんと離れ小島的な存在というか。それだけに評価が今いち定まらない作品なのかもしれないけれど。

でも、これ、けっこうじわじわくる1枚。それまでのカラフルでキャッチーなイメージはないとはいえ、さすが彼らならではの卓抜したソングライティング感覚とか、いかしたグルーヴとか、ソウルフルなヴォーカルとか、そうした魅力がていねいに盛り込まれた仕上がりになっている。

ホール&オーツとデヴィッド・ベロチオの共同プロデュース。Tボーン・ウォーク、ポール・ペスコ、チャーリー・デシャントら、おなじみの顔ぶれがバックアップ。デイヴ・スチュワートも2曲にギターで参加している。個人的にはソングライティング面で、元アヴェレージ・ホワイト・バンドのアラン・ゴーリーが半分くらいの曲に絡んでいるのがうれしいポイントだった。

ホール&ゴーリー作の「スロウ・ザ・ローズ・アウェイ」とか、その二人にサラ・アレン、デヴィッド・ベロチオも加わった顔ぶれで書いた「アイ・ドント・シンク・ソー」とか、あと、これはゴーリー絡みではないものの、全米アダルト・コンテンポラリー・チャートでけっこう上位に食い込んだ「プロミス・エイント・イナフ」とか、その次の「タイム・ウォウント・パス・ミー・バイ」とか…。この4曲連続パートを当時、ほんとよく聞いたっけ。

今回のエクスパンデッド・エディションには「ロミオ・イズ・ブリーディング」のラジオ・エディット、「ホールド・オン・トゥ・ユアセルフ」のリミックス、そして当時の日本盤にボーナス追加されていた「ザ・スカイ・イズ・フォーリング」のホット・ミックスの3トラックがボーナス追加されている。前述した「プロミス…」とか「スロウ…」とかにもラジオ・エディット・ヴァージョンがあるのだけれど、それは入っていなかった。残念。あと、「プロミス…」にはアンプラグド・ヴァージョンとかもある。その辺も入れてくれればなぁ…。

と、つい贅沢なことを言いながらも、本作がいい形で広く再評価されるといいなとただただ願う一ファンでございます。2枚組ヴァイナル(Amazon / Tower)もあり。

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