Disc Review

Lucky Enough / Reed Foehl (Green Mountain Records)

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Lucky Enough / Reed Foehl

コロラドのジャム・バンド、アコースティック・ジャンクション/フールズ・プログレスの中心メンバー、リード・フォールによる5作目のソロ・アルバム。オースティンのごきげんなルーツ・ロック・バンド、ザ・バンド・オヴ・ヘザンズが共同プロデュースも含めて全面バックアップしている。

2017年以降、リンパ腫に冒された母親に付きっきりで看病を続けていたため表だった音楽活動をほとんどできなかったようだが、その間、自分に向き合いながら書きためた楽曲で本作が完成したとのこと。厳しい時期に書かれた曲たち、ということになるのだが、しかしどの曲も温かく、ほのかな希望に貫かれているようで、それがまた胸にしみる。

オープニング・ナンバー「スティーリング・スターライト」のような、静かなフォーク調の哀歌がアルバム全体のトーンを決定づけてはいるのだけれど、ザ・バンドあたりに通じる大きくうねるドラムをともなった「ロング・タイム・トゥ・メイク・オールド・フレンズ」とか、ゴスペル風味の「カルーセル・ホーシズ」とか、カントリー+カリプソといった風情の「ウィッシュ・アイ・ニュー」とか、さりげなく多彩。

アルバム中もっともキャッチーなカントリー・ロックって感じの「イフ・イット・レインズ」もよかった。この曲の各ヴァースを締めくくる歌詞——

We are heartbroken but lucky enough…

というのが、アルバム・タイトルになっているわけだ。ぼくたちは心傷ついているけれど、十分にラッキーさ…と。ちょっと泣ける。

ペダル・スティールが印象的な「ヒーズ・オン・アン・アイランド」にも“タウンズ・ヴァン・ザントの歌の中のヒーローたちはみんな悲しみと苦しみの中に愛を見つけようとしているんだ…”みたいな歌詞が聞き取れたりして。まったく、たまらん。

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