Disc Review

Waiting: The Van Duren Story (Original Documentary Soundtrack) / Van Duren (Omnivore)

Waiting

ウェイティング〜ザ・ヴァン・デューレン・ストーリー/ヴァン・デューレン

誰?

と言われても仕方ない。ヴァン・デューレン。同郷のビッグ・スターとも交流があるメンフィス出身のパワー・ポッパーだ。1978年にリリースされたデビュー・アルバム、奇跡の世界初CD化が、なんと日本でかつて実現したこともあって。たぶん本国アメリカ以上に日本では名前くらい知っている人がいるのかもしれない。

が、とにかくアメリカではよっぽどのパワー・ポップ・マニア以外にその存在すら知られていないようで。そんなヴァンさんの物語を世に知らしめるための映画が去年、ビッグ・スターや彼らが拠点としていたアーデント・スタジオの超熱心なマニアでもあるオーストラリアのミュージシャン、ウェイド・ジャクソンが言い出しっぺとなって制作された。本作はそのサウンドトラック・アルバムだ。

収められているのは1978年から86年に録音されたヴァン・デューレンによる音源。初ソロ作の収録曲から、グッド・クエスチョンというバンド名義でローカル・ヒットさせた曲まで。未発表ライヴ音源とかも含めて、まあ、ほとんどが世の中からガン無視されてきたものなのだが。でも、いい曲ばっか。“メンフィスのポール・マッカートニー”という呼称にウソはない。

今回のサントラ盤はアッパーものを中心に選曲されているけど、個人的には「Waiting」とか「Positive (Wedding Song)」のような切ない系が好き。映画が当たって、このサントラも売れて、過去のアルバムが改めてオリジナル・フォーマットで再発されることを願ってます。

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