パラノイド・コクーン/コットン・ジョーンズ
CRTバディ・ホリーまつりも近づいてきて。前回紹介した2種のアンソロジーを聞きまくっているのだけれど。バディ・ホリーの音楽って、どうしようもなくテキサス州ラボックの音というか。あるいは、ノーマン・ペティのスタジオがあったニューメキシコ州クロヴィスの音というか。亡くなる直前、ニューヨークで録音されたアパートメント・テープスでさえ、そういう匂いを強くたたえていて。
いわゆるスモール・タウン・ロックンロール。その空気感が絶対に抜けなかったところが、逆に時代を超えて、地域性すら超えて生き延びてきた理由のひとつなんじゃないか、と。そんなことを改めて感じてます。
つーか。ぼくは実際にラボックにもクロヴィスにも行ったことはないわけで。すんません。知ったかぶっちゃいました(笑)。ラボックっぽさとかクロヴィスっぽさとか、知っているわけでも何でもない。すべて想像です。ただ、ラボックってところの映像を見たりすると、これが想像以上に何もなさそうなところで。
ボブ・ディランを生んだミネソタ州ドゥルースの映像を見たときも思ったことだけれど。こういうところで、ネイションワイドなシーンめがけて思いをはせるってのは、とてつもなくダイナミックな作業なんだろうな、と。想像はつかないけど、想像してみたりするわけです(笑)。そのあたりのことも、来週ネイキッド・ロフトで検証できたら面白そう。ラボックに行ったことがある宮治本部長もいるしね。
と、そんな気分で、ちょっと前に買ったコットン・ジョーンズのアルバムを聞いてみたら、これがやけに魅力的に響いてきた。コットン・ジョーンズは元ページ・フランスのマイケル・ナウがホイットニー・マッグローを引き連れてスタートさせた新プロジェクト。確かEPみたいなのがすでに出ていた気がするけれど、これが初フル・アルバムらしい。メリーランド州カンバーランドを本拠に活動するスモール・タウン・バンドで。ウッドストック在住期のヴァン・モリソンをウィル・オールダム方面に脂抜きした感じというか、ウィルコがドノヴァンのバックをつとめている感じというか、すっごい遠いところで演奏しているザ・バンドというか…(笑)。
なんだかよくわかりませんが。そんな魅力的な1枚に仕上がってます。