Disc Review

Welcome To My Living Room (DVD) / Carole King (Rockingale)

ウェルカム・トゥ・マイ・リヴィング・ルーム/キャロル・キング

キャロル・キング、ファーギー、メアリー・J・ブライジという、すごいような、なんだか今いち脈絡が見えにくいような、とにかく本国アメリカでさえ実現したことがないという顔合わせによるジョイン・コンサートが最終日を迎えて。

先週土曜日のさいたまスーパーアリーナと、今週月曜日と火曜日の武道館×2、と見に行ったのだけれど。いやー、楽しかったなぁ。もちろんお目当ては17年ぶり、2度目の来日になるキャロル・キングだったわけですが。ファーギーも今いちばんノっている勢いを見せつけてくれたし、メアリー・Jもさすがの貫禄。最終日はクレーンも使った本格的な撮影も入っていて、そのせいか、ファーギーもメアリー・Jもお化粧含めて気合を入れ直した感じ。最終の武道館では特にホットなパフォーマンスを見せてくれた。

けど、どちらもバンドを率いて、さらにテープというか、ハードディスクというか、とにかく事前に用意されたオケも併せて使うステージだったためか、連日、基本的にはまったく同じ内容のパフォーマンスで…。って、当たり前か(笑)。何度も見る人間なんか想定する必要はないわけで。毎日同じじゃないかと文句つけるほうが悪いのだけれど。

その点、キャロル・キングは、前回の来日時のようなフル・バンド編成ではなく、近年の“リヴィング・ルーム・ツアー”の編成でのステージ。自ら奏でるグランド・ピアノと、2人の男性サポート・メンバーによるベースと、エレアコ。それだけ。なので、毎日演奏曲目がちょっとずつ違ったり、時には日本語の歌詞を歌ったり、かなり自由なパフォーマンスを展開してくれて。通い詰めてよかったというか。満喫できました。

  • Beautiful
  • Welcome To My Living Room
  • Up On The Roof
  • It's Too Late
  • So Far Away
  • Will You Love Me Tomorrow?
  • Love Makes The World
  • Smackwater Jack
  • Sweet Seasons
  • You've Got A Friend
  • I Feel The Earth Move
  • Where You Lead
  • Home Again
  • Now And Forever

このあたりから毎日11曲くらいずつが披露された。アンコールでファーギー、メアリー・Jと歌った「ナチュラル・ウーマン」を含めると、『タペストリー』の収録曲12曲のうち10曲が含まれる選曲。キャロルさんにとっては悩ましいポイントかもしれない。実際、一時はそういう、『タペストリー』しか語られない状況に苛立っていた時期もあったようだけれど、今や65歳になった彼女はそんなことすっかり乗り越えちゃってるみたい。だから、聞いていて爽快というか。素直に泣けるというか。どうせなら『タペストリー』全曲演奏ツアーとか、そういうのも体験したいものです。もちろん、次回があるとすれば、ぜひ単独公演で、ひとつ(笑)。

それにしても、18歳のころ作った「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロウ」とかを65歳の今なお歌い続けていて。それが現役の歌声/楽曲としてぼくたちの胸を震わせてくれる、と。これはとてつもなくすごいことだなぁと思う。そんな感動を、会場のグッズ売り場でゲットしたこの最新ライヴDVDで改めて追体験している夜です。カリフォルニアでのフル・コンサートの模様を収録した映像。収録は2年前なので、今回の来日公演よりもほんのちょっとだけ若々しいお姿が楽しめる。けっこうMCパートも多く、ソングライター時代の興味深いエピソードを語っていたりもするので、英語に弱い方は間もなく出る国内盤を待ったほうがいいかも。リハーサルの様子やインタビューを収めたボーナス映像も面白い。公式ホームページで公開ずみの映像も多いけれど、やっぱりDVDでじっくり見られるのは格別です。

てことで、この盛り上がりを明日、木曜日に新宿ロフトプラスワンへと持ち込みますよ。1年ぶりのキャロル・キング・ナイト。左のインフォメーション・バーを見て、もしお時間のある方は遊びにいらしてください。日本公演の感動、大音量・大画面でみんなで復習しましょう!

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