Disc Review

Live to Be This / The Boneshakers (Gulf Coast Records)

リヴ・トゥ・ビー・ジス/ザ・ボーンシェイカーズ

朝日カルチャーセンターでのボブ・ディラン講座、明日になりました。なんか早稲田のエクステンションセンターとも、いつものCRTともまた違った環境で、ノージくんと音楽講座っていうのが新鮮で。まあ、やること自体はいつもと変わらないかもしれませんが(笑)、フレッシュな気分でぼくも楽しみにしています。いらっしゃってくださる方、楽しい時間を過ごしましょうね。ちょびっとお安いオンライン受講もあるようなので、よろしければ。

というところで、今朝のニュー・リリース紹介。2023年、新ヴォーカリスト、ジェニー・ランガーが加入して見事復活を遂げたボーンシェイカーズの新作です。

ご存じの通り、ボーンシェイカーズはもともとウォズ(ノット・ウォズ)のメンバーとして出会ったギタリスト/ソングライターのランディ・ジェイコブズとシンガーのスウィート・ピー・アトキンソンによるプロジェクト。二人ともセッション・ミュージシャンとしてツアーにスタジオに忙しく活動しながらも1996年以来、あれこれファンキーでソウルフルなアルバムを着実なペースでリリースしてきたのだけれど。

2020年にスウィート・ピーが他界。バンド活動も休止となってしまったものの。先述した通り、プロデューサーのジョン・ウーラーが新ヴォーカリストに、強力な女性ブルース・シンガー、ジェニー・ランガーを抜擢。というか、ジェニーさんのソロ・プロジェクトのためにランディさんが起用されたのがもともとのきっかけだったらしいけど。それがうまくいったこともあり、そのまま新生ポーンシェイカーズのアルバムへと発展したのだとか。

でもって今年、ボーンシェイカーズは新たにガルフ・コースト・レコードと契約。バンドにとって通算11作目となる本作『リヴ・トゥ・ビー・ジス』をリリースしたのでしたー!

今回も変わらず骨太で、粘っこくて、ファンキーで、ブルージーで、グルーヴィーで、ソウルフルな1枚に仕上がってます。

もちろんランディの自作曲もあれこれ収められているけれど、今回もカヴァーの選曲センスがマニアックで楽しい。デトロイトのガール・グループ、ホット・ソースの「アイル・キル・ア・ブリック」のカヴァーで幕開け。立て続けに、今度はベティ・デイヴィスの「ゼイ・セイ・アイム・ディファレント」で攻め込んで。ボビー・パターソンの、というか、マーギー・ジョセフの、というか、「ハウ・ドゥ・ユー・スペル・ラヴ」へ。

ソウルものでぐいぐい押しまくったところで、いきなりイギー&ザ・ストゥージズの「アイ・ニード・サムバディ」が登場! 元ウェット・ウィリーのジミー・ホールの「ソルティ」とかもやっていて、ここにはボビー・ラッシュが客演してジェニーさんと強烈なデュエットを聞かせている。「ソルティ」はエディ・ヒントン作だけれど、ヒントン作品としてはもう1曲、やはり後にジミー・ホールも採り上げていた「ヒア・アイ・アム」もやってます。

スクリーミン・ジェイ・ホーキンスの「アイ・アム・ザ・クール」には盟友ドン・ウォズも客演。ジョン・メイオールの「ドント・ディナイ・ミー」ではジミー・カーペンターのサックスと、ヘンリー“ココ”モントーヤのギターをフィーチャー。

さらには、アイク&ティナ・ターナーの「テイク・ア・トリップ」とか、マイティ・サム・マクレインの「ティアーズ・オヴ・ザ・ワールド」とか、ポール・ケリーの「ザ・ケイク・アンド・ザ・キャンドル」とか。

時代もジャンルも飛び越えた選曲にしびれる。ランディさんのオリジナル曲でも、たとえばチャーリー・マッスルホワイトのブルース・ハープがうなる「イーヴィル・ノー・モア」とか、レゾナント・ギターが渋い「ドブロ・ジョーンズ」のヴァージョン違い2トラックとか、むちゃくちゃかっこいいっす。

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■8月4日はRITTOR BASEでサラウンド試聴イベント

■8月21日には池袋・新文芸坐で映画『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』上映後のトーク・イベント

■8月22日がCRTスティーリー・ダンまつり

■9月6日は湯浅学を迎えて早稲田大学エクステンションセンターで洋邦ノヴェルティ・ソング大特集…。

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