Disc Review

Words and Music / Margo Guryan (Numero Group)

ワーズ・アンド・ミュージック/マーゴ・ガーヤン

ちょっと見過ごせないアンソロジーが編まれましたよ。

主役はマーゴ・ガーヤン。1968年の静かな名盤『テイク・ア・ピクチャー』が1990年代になってから日本先行で再評価されたことでおなじみの彼女についての詳細は、2021年、訃報を受けて書かせていただいたこちらのページを参照していただくことにして。

唯一のオリジナル・アルバム『テイク・ア・ピクチャー』の収録曲はもちろん、その後マーゴ自らが2001年に選曲/監修した『25デモズ』を皮切りに以降ちょっとずつ曲数を増やしつつ編まれ続けていったレア音源集の曲とか、2023年に7インチで出た未発表ものとかに加えて、今回初発掘となった別テイクや未発表曲などを追加したCD2枚組/LP3枚組、全46曲だ。

ディジー・ガレスピー、アストラット・ジルベルト、クリス・コナー、ジュリー・ロンドン、アニタ・オデイ、カーメン・マクレー、ミリアム・マケバ、ハリー・ベラフォンテ、クロディーヌ・ロンジェ、ジャッキー・デシャノン、ママ・キャス・エリオット、スパンキー&アワ・ギャングなど、ジャンルを超えた多彩なシンガーたちが彼女の作品を取り上げてきたことからもわかる通り、マーゴ・ガーヤンという人の中にはジャズも、ポップも、分け隔てなく絡み合いながら共存していて。そんなソングライターとしての多彩さ/多才さと、つぶやくように歌声をそっと置いていくようなヴォーカリストとしての珠玉の味わいと…。

マーゴ・ガーヤンというアーティストの魅力を余すところなくまとめて楽しめる決定版的アンソロジー。発売元の Numero Group のWEBストアとか見てたら、1994年、アーティスト活動から身を引いてピアノ教師とかやっていた時期に自ら弾いたユーフェミア・アレン『チョップスティックス』の変奏曲集の10インチ盤付きLP3枚組ボックス(限定500セット)なんてのも売ってて。これをゲットしない手はないな、と。心躍りました。あ、“躍”りじゃなく、すっかり“踊”らされてるだけかもしれないけど(笑)。

今のところAmazonではこのボックス、まともに扱っていないみたい。そのうち対応するのかな。ちなみに、国内流通仕様のCDは来月出るそうです。

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