Disc Review

A Dream Is All We Know / The Lemon Twigs (Captured Tracks)

ア・ドリーム・イズ・オール・ウィー・ノウ/ザ・レモン・ツイッグス

ニューヨークのロングアイランド出身、ブライアンとマイケルのダダリオ兄弟による無敵のポップ・ユニット、ザ・レモン・ツイッグス。発売が待ちきれず、こちらで紹介ずみの新作アルバム。ようやく出ましたー! かっこいい。

以前も書いた通り、フル・レングス・アルバムとしては去年の『エヴリシング・ハーモニー』に続く5作目。前作では“俺たち、こういうのもけっこうなクオリティでできちゃうんだもんねー”的な、ぐっと落ち着いた、メランコリックなアンサンブルの提示からまたまた離れて。活動初期っぽいパワー・ポップ〜サンシャイン・ポップ風味を全開にした仕上がりだ。

とはいえ、これがもう5作目。2016年の本格デビュー作『ドゥ・ハリウッド』のころに比べたらソングライティング面でもレコーディング・テクニック面でも飛躍的に成長していて。ほんと、とんでもなく完成度の高いポップ・ワールドを構築してみせている。

兄弟によれば、往年のマージービート・サウンドとカリフォルニアのハーモニー・ポップの要素を合体させた“マージー・ビーチ”なるコンセプトの下、制作された1枚だそうで。うまいこと言うなぁ。そんなふうにリヴァプールとローレル・キャニオンを融合させつつ、さらに時間軸をも軽々と行き来しながらパワー・ポップやバブルガム・ポップやガレージ・ロックやバロック・ポップやグラム・ロックやポップ・プログレや…様々な音楽性を柔軟に取り込んだ極上アンサンブルを聞かせている。

今回もロングアイランドだかブルックリンだかにある自分たちのスタジオで、ほぼすべての楽器をダダリオ兄弟でこなしながら完全アナログ・レコーディング。1曲だけショーン・レノンが参加してベース演奏および共同プロデュースしているほか、ダリル・ジョーンズが1曲、ウッド・ベースでサポートしていたり、来日時のドラマーだったアンドレス・ヴァルブエナが1曲だけ参加していたり。

ジャングリーなギター・リフ、キュートな転調、スリリングな変拍子など、これでもかと繰り出されるポップ・イディオムの雨アラレ。めくるめく思いです。楽しい楽しい。ジミー・ファロンの番組での生演奏とか聞くと、ほんと、また来日してほしいな、と。そんな思いを新たにするばかり。

オープニングを飾る「マイ・ゴールデン・イヤーズ」では、永遠に続くことなど何ひとつなく、自分のいちばん輝いていた時代もまばたきしているうちにすぐ飛び去ってしまうことはわかっているけれど、心の中にある愛をいつか世界中に知らせることができたらいいな…みたいなことを歌っていて。さすがティーンエイジャーのうちから才能を発揮してきたレモン・ツイッグス。若さと成熟とがいい感じに共存してます。今、彼らにとってバランスのとれた最高にいい時期を過ごしているのかも。

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