Disc Review

GOOSE / Mol Sullivan (self released)

グース/モル・サリヴァン

米オハイオ州シンシナティのインディー・シーンで長年活動してきたモル・サリヴァン。過去シングルとかEPとか、いろいろ出していたけれど。ついに初フル・アルバム、届きました。シカゴのインディー・シーンからシーマ・カニンガムをプロデューサーに迎えたことが大当たり。これまで以上に抑制の効いたフォーキー・チェンバー・ポップって感じの1枚に仕上がっている。

モルさんはこのアルバムのことを“長時間露光写真”に例えていて。なるほど。過去15年に及ぶ彼女のソングライティング・スタイルの断片の集大成というか。アルコール依存とか不倫とかにまつわる自責の念や、それら実生活での苦い体験をひとつひとつ克服してきたことからの学びなど、いろいろな過去、現在、未来を、じっくり時間をかけつつ現像してみせたアルバム。

まあ、歌詞のこと、まだ全然深く理解できてはいないのだけれど。勘違いを恐れずざっくり言うと、過ちも含めて自らの過去をありのまま受け止め、現在の自分を讃える、と。そんな感じか。困難な時期の記憶と決別するためのミニ・アルバムという手触りだった去年の8曲入り『ア・リトル・ハロー』の、そのまた次、みたいな。

シンプルな音像の下、メロトロン、サックス、クラリネット、フルート、ペダル・スティール、ストリングスなどが控えめに、しかし効果的に絡むアレンジも的確。つぶやいたり、声を張ったり、芝居っぽくなりすぎない程度にくるくる表情を変えるモルさんのストーリーテラー的な表現力もなかなかだ。新曲を書くためにまた失恋しなくちゃ…的な?(笑) そういう身を切るようなアプローチが感じられるタイプのシンガー・ソングライターではあるけれど。少しずつ客観的な曲作りの方向性も芽吹いてきているようで。まだまだ今後の伸びしろに期待です。

フィジカルは今のところ自身のWEBショップとかバンドキャンプとかで売っている限定アナログLPのみっぽい。

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