Disc Review

whatever works / a kid named rufus (Nettwerk)

ホワットエヴァー・ワークス/ア・キッド・ネームド・ルーファス

誰? って感じなのだけれど(笑)。

バンドキャンプで出会して、素性まったくわからず、でもとりあえず聞いてみたら、ほどよくポップで、ほどよくキャッチーで、ほどよくメロディアスで、ほどよくロマンティックで、ほどよくイノセントで、ほどよくノスタルジックで。いい案配だったもんで、ピックアップしてみました。

“ルーファスという名の子”を名乗るルーファス・シヴァロシャンの初フル・アルバム。この人、生まれはマレーシアだとか。現在20歳で、米ニューヨーク州シラキュースの大学で音楽ビジネスを専攻しながらアーティストとしても活動しているらしい。故郷を離れ他国へやってきた最初の1年間に感じたもろもろ。それを歌にした、本作はそんな1枚みたい。

新しい国にやってきた者ならではの、夢、愛、欲望、責任、出会い、別れ、大人になること、孤独、ホームシック、トラウマ、新生活への適応など。そんなテーマを託した歌詞を、今どきのドリーミーなベッドルーム・ポップ・サウンドに乗せて綴ってます。銀行口座の残高の心配とかまで歌っていて(笑)。それを独特のキュートでキャッチーなメロディ感覚で聞かせるという不思議にハッピー・サッドな取り合わせ。

人生、いろいろ大変なことはあるけれど、それでもみんな、whatever works、つまり、うまくいきそうなことなら何でもやってみないとね。次も楽しみです。異国でもめげずにがんばって。

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