Disc Review

Marshall Crenshaw: 40th Anniversary Expanded Edition / Marshall Crenshaw (Yep Roc Records)

マーシャル・クレンショウ:40周年記念エクスパンデッド・エディション/マーシャル・クレンショウ

もう40年かあぁ…。ほんと、歳月が過ぎゆく速さにたじろぐばかりですが。

マーシャル・クレンショウ。ミュージカル『ビートルマニア』でジョン・レノンを演じたり、映画『ラ・バンバ』ではバディ・ホリーに扮したりしたことでもおなじみ、デトロイト出身のバワー・ポッパーですが。そんな彼が1982年にリリースしたデビュー・アルバムにホーム・デモとかシングル曲とか別ヴァージョンとかライヴ音源とか、ボーナス・トラック7曲を追加した拡張エディション。本人執筆のライナーも新たについて…。

去年の11月、レコード・ストア・デイにオリジナル・アルバム発売40周年を記念してイェップ・ロック・レコードからアナログLP2枚組でリリースされたものだけれど。当然ながら速攻ソールドアウト。でも、それが発売41年目の今年になってようやくCD化されて広く一般発売されましたー。めでたいー。オリジナルとちょこっとだけ違う別写真を使ったジャケットも憎い。

みんな大好き「サムデイ・サムウェイ」をはじめ、「シンシア・ガール」「メアリー・アン」「ゼア・シー・ゴーズ・アゲイン」など、こう、なんというか、パワー・ポップとニュー・ウェイヴの間を行くような、1980年代初頭ならではのポップで痛快なロックンロールを名匠グレッグ・カルビが見事にリマスタリング。ごきげんにいい音で聞かせてくれる。

クレンショウさん自身にとってはあまりいい思い出ではないみたいだけど、やり手のリチャード・ゴッテラーによる、手堅くわかりやすいプロデュースワークも悪いことばかりではなかったはず。間もなくボブ・ディランのバックでやってくるトニー・ガーニエさんの存在も気になるところ。もちろん、マーシャル&ロバートのクレンショウ兄弟とクリス・ドナートのトリオ編成によるベーシック・バンドの若々しい躍動が最高なのは言うまでもなく…。

前述した代表曲たちはもちろん、アーサー・アレクサンダーの「ソルジャー・オヴ・ラヴ」のカヴァーとか、フレッシュなモータウン・ビートが爽快だった「ノット・フォー・ミー」とか、キャッチーな「アイル・ドゥ・エニシング」とか、ポップなシャッフル・ロックンロール「シー・キャント・ダンス」とか、大好きだった。よく聞いたなー。

このアルバム、以前ライノ・レコードがボーナス10曲入りでリマスター再発したことがあったけれど、それとは「ブランド・ニュー・ラヴァー」の別ヴァージョンとマーシャル・クレンショウ&ザ・ハンサム・ルースレス・アンド・ステューピッド・バンド名義の「(ユーアー・マイ・フェイヴァリット)ウェイスト・オヴ・タイム」(シングル「サムデイ・サムウェイ」のB面)がダブリかな。

他はライノ盤未収録。パーラメントの「ルック・アット・ホワット・アイ・オールモスト・ミスト」をカヴァーしたライヴ音源はライノ盤にも入っていたけれど、今回あれとは別音源みたい。1981年にインディーズのシェイク・レコードから出たファースト・シングル「サムシングズ・ゴナ・ハプン」も入っている。あとは未発表4トラック・デモとか。

というわけで、本イェップ・ロック盤には残念ながらライノ盤で聞くことができた「スターリット・サマー・スカイ」や「ホエネヴァー・ユーアー・オン・マイ・マインド」のデモとか多くのライヴ音源が入っておらず、困ったことに結局あっちも処分はできないわけですが。まあ、それは仕方ない。両方大事にします。でも、できることなら全部入りエディション希望!

ちなみに、今のところバンドキャンプ以外、ボーナス入り新エディションのストリーミングはないみたい。

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