Disc Review

Private Space / Durand Jones & The Indications (Dead Oceans)

プライヴェート・スペース/ドゥラン・ジョーンズ&ジ・インディケイションズ

待ってました! 2019年の2作目『アメリカン・ラヴ・コール』の後、途中、ドラム&ファルセット・ヴォーカルのアーロン・フレイザーのソロ・アルバムを間に挟みつつ、2年ちょいのブランクを経てようやくリリースされましたよ。ドゥラン・ジョーンズ&ジ・インディケイションズの新作アルバム!

相変わらずのレトロ・ソウルというか、セヴンティーズ・ソウル絶頂期のニュアンスを絶妙にたたえたいい曲ぞろいの1枚なのだけれど。思いきり1960年代後半〜70年代アタマのニュー・ソウルとか、フィラデルフィア・ソウルっぽい色合いに振り切っていた前作に比べると、今回はもうちょっとだけタイム・マシーンの行く先を何年か後にセットした感じ。

真っ向からフィリー…というよりは、もうちょいアース・ウィンド&ファイア寄りというか、1970年代半ばのブルーノートとかCTI寄りというか、ディスコ寄りというか。その辺の時代感に白羽の矢を立てて、ドゥラン・ジョーンズとアーロン・フレイザーがマニアックなソウル・ミュージック愛を炸裂させている。ちょっとイーストLA系のローライダーっぽいムードも漂っていて、それもまたいい案配だ。

オープニング・チューン「ラヴ・ウィル・ワーク・イット・アウト」からして、往年のジーン・ペイジっぽいスウィートかつゴージャスなストリングス・セクションに加えて、ジョエル・ロスによるヴァイブラフォンも入っていて。いきなり雰囲気どっぷり。今、何年だ?的な。でも、グルーヴの感触には確実に今の時代っぽいループ感もあったりして。ごきげんに面白い。

他にもフルートとか、ハープとか、ちょいチープな女声コーラスとか、ここぞのところでここぞの要素を散りばめて。おいしい。ぐっとくる。今回もいい曲ぞろいです。

ブルーノ・マーズとアンダーソン・パークが組んだシルク・ソニックもまたまたセヴンティーズ・ソウル色がむんむんの新曲「スケイト」を発表して。こちらもアルバムが待ち遠しいのだけれど。何かとふさぎ込みがちなこの夏のウォーキングのおともにはシルク・ソニックとデュラン・ジョーンズ&ジ・インディケイションズ。これで決まりだな。当然、アナログ盤(Amazon / Tower)、注文しましたー。タワーのポイントが貯まってたので200円くらいでゲットできちゃいました! ラッキー!

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