基本的には毎日1作ずつ、気になるニュー・リリースを紹介している本ブログではありますが。あれこれいろいろたまってきちゃったもんで。今日はざっくり4作ほどまとめて紹介しておきますね。
When You See Yourself / Kings of Leon (RCA)
キングス・オヴ・レオン、5年ぶりの新作。テネシー州ナッシュヴィル出身の三兄弟+従兄弟という構成が、最初、まあ、ビーチ・ボーイズ好きのぼくの興味を思いきり惹いたものの(笑)。もちろん今さらここで説明するまでもなく、音楽性は全然違って。“サザン・ロック+モダン・ロック”的な? ルーツ感覚とコンテンポラリー感覚とを巧みに共存させた音作りで大当たりをとったわけですが。
通算8作目にあたる今回のアルバム、実はパンデミックのちょい前、去年のアタマには完成していたらしいのだけれど。なんとなく、音的にも、歌詞で描かれている世界観的にも、その後の1年を予感していたかのような、内省的な感触をぐっと増した仕上がりで。お見事。ケイレブ・フォロウィルのヴォーカルも深みを増したかな。
Flowers in My Garden: Sunshine, Soft & Studio Pop 1966-1970 / Various Artists (Teensville)
豪ティーンズヴィル・レコードの好評シリーズの最新作。「グッド・モーニング・スターシャイン」でおなじみのオリヴァーが在籍していたグッド・アース・トリオ、マイケル・マクドナルドが在籍していたギルド、のちにブレッドに加入するジェイムズ・グリフィン、MFQ、ニール・セダカなど、知名度がありそうなところから、全然名前も知らないレアなところまで重箱の隅つつきまくりのサンシャイン・ポップ名曲集。
このシリーズはいつも初回プレスを逃すと生産中止…みたいなことになるので、気をつけないと。今月末に『フラワーズ・イン・マイ・ガーデン~あなたの知らないソフト・ロック名曲選 第六集』という邦題で国内仕様の盤も出るので、そっちのほうが確実に入手できるかも。
Shake Your Money Maker (30th Anniversary Deluxe) / The Black Crowes (American Recordings/UME)
1990年に出たブラック・クロウズのデビュー・アルバムの30周年記念デラックス・エディション。3CDボックス、2CDエディション、1CDエディション、4LPボックス…と、さまざまなフォーマットでのリリースだ。クリス・ロビンソン、リッチ・ロビンソン、そしてプロデューサー、ジョージ・ドラクリアスが監修している。
CD1にオリジナル・アルバムの20年最新リマスター。CD2に未発表曲やらシングルB面曲やら。で、CD3が1990年12月、地元であるジョージア州アトランタ収録された未発表ライヴ音源14曲。LPボックスはCD3のライヴがLP3とLP4に振り分けられている。ルーツの香りとオルタナな歪みとが共存するブラック・クロウズならではの世界観が堪能できます。
Quiet Life (Deluxe Box Set) / Japan (BMG)
過去、デヴィッド・シルヴィアン的なる文化と深く関わらず、“耽美”なんて単語、書くことも口にすることもなくおちゃらけた人生を送ってきたぼくではありますが。そんなぼくですら、1980年ごろ、なぜかこのアルバムは聞いていた。特にバカ売れした盤ではなかった気がするし、実際、本作の評価がぐっと上がったのは、リリース後、ヴァージンへと移籍してから後追い的にだった記憶があるし…。
でも、ぼくの周囲では、なんとも不思議なフレットレス・ベース・プレイとか、ドラムとの奇天烈なコンビネーションとか、ギター・カッティングの切れ込み具合とか。そういうものが何かと話題になっていたっけ。ぼくもヴェルヴェット・アンダーグラウンドのカヴァー「オール・トゥモロウズ・パーティズ」とか、アルバムには入っていなかったけれど、後からシングルで出たスモーキー・ロビンソン作の「アイ・セカンド・ザット・エモーション」とか、その辺のカヴァーものにおける原典との距離感に惹かれたものです。
本デラックス・エディションは1LP+3CDという仕様。LPとCD1にオリジナル・アルバムの2020年リマスター。CD2にシングル音源、レア音源、1980年の日本武道館公演で収録された4曲入りEPの音源など。“Live at the Budokan”と銘打たれたCD3には、1980年3月の日本武道館ライヴから16曲を初めてフル収録。
全部入りボックスの他、オリジナル・アルバムの最新リマスター音源のみを収めた限定レッド・ヴァイナル、ブラック・ヴァイナル、そして1CDヴァージョンも出てます。