ファースト・ユニオン・センター、フィラデルフィア、1999年9月25日/ブルース・スプリングスティーン&ジ・Eストリート・バンド
今日はルーファス・ウェインライトの新作とか、ジェイホークスの新作とか、『ワーキングマンズ・デッド』の3枚組デラックス・エディションとか、興味津々なニュー・リリースが目白押しですが。今日の今日じゃ聞き込む時間もまだ全然ないし、いつもより早めに仕事に出かけなくちゃいけないし。なので、今朝はとりあえず先週出たやつを取り上げておきますね。
公式ライヴ・アーカイヴ・サイト“Live.BruceSpringsteen.net”で、話題の過去ライヴ音源がリリースされるたび、毎度取り上げさせてもらっている我らがボス、ブルース・スプリングスティーン。以前ここで紹介した1981年のニュージャージー公演に続いて、数週間前に2005年のストックホルム公演の音源が出ていたけれど。
それに続く最新リリースは、1999年9月25日のペンシルヴェニア州フィラデルフィアの“ファースト・ユニオン・センター”で行なわれたアリーナ公演の音源だ。今回も3枚組CD(23ドル)、DSD(40ドルくらい)、ハイレゾ(25ドルくらい)、ロスレス(13ドルくらい)、mp3(10ドルくらい)でのリリース。ぼくはまたいつものようにハイレゾFLACでゲットしましたー。試聴/購入はこちらから。
1999年といえば、1988年にいったん解散してしまった盟友Eストリート・バンドの面々を再び呼び寄せて、翌年にかけて大規模な再結成ツアーを行なった重要な年。15夜に及ぶニュージャージー公演とか、アルバム『ライヴ・イン・ニューヨーク・シティ』が収録されることになる10夜に及ぶニューヨーク・マディソン・スクエア・ガーデン公演とか、そのあたりがハイライトだったと言われているツアーだけれど。
もちろん、6夜にわたり2会場で行なわれたフィラデルフィア公演もけっこうブートとかが出まくっていた有名なライヴ・パフォーマンスで。そのうちの1公演の模様がこうして良好な音質でオフィシャル・リリースされたのだから。またまたうれしい。
何と言っても、オープニング・ナンバーにぶっとぶ。1973年のセカンド・アルバム『青春の叫び(The Wild, the Innocent & the E Street Shuffle)』の収録曲「57番通りの出来事(Incident on 57th Street)」。スプリングスティーン&ジ・Eストリート・バンドがこの曲をライヴで演奏するのは1980年12月以来のことだったらしい。
他にも、同じアルバムからの「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」とか、ちょっと珍しいかも。スプリングスティーン50歳の誕生日近辺だったこともあり、お祝い気分も加味されて、このフィラデルフィア公演はそういう初期振り返りモードだったらしく、ブートとか聞くとファーストからの「光で目もくらみ(Blinded by the Light)」とか「82番通りにこのバスは停るかい?(Does This Bus Stop at 82nd Street?)」とか、サウスサイド・ジョニーに提供した「ザ・フィーヴァー」とかやってる日もあって。その辺もいい音でオフィシャルに聞きたいものです。
さらに、土地柄もあってか、1994年の「ストリーツ・オブ・フィラデルフィア」も歌っていて。この曲もこれ以降、8回くらいしか演奏されていないのだとか。貴重だ。他にも「プルーヴ・イット・オール・ナイト」「アトランティック・シティ」「マーダー・インコーポレイテッド」「トゥー・ハーツ」「バッドランド」「ポイント・ブランク」「シェリー・ダーリン」あたりもいいし、ファースト・アンコールの「ジャングルランド」も「ボーン・トゥ・ラン」も、セカンド・アンコールの「サンダーロード」も「イフ・アイ・シュッド・フォール・ビハインド」も、当時ばりばりの新曲だった「ランド・オヴ・ホープ・アンド・ドリームズ」も充実。ラストのエディ・フロイド「レイズ・ユア・ハンド」のカヴァーもごきげんだ。
ミュージシャン・ラインアップは、スプリングスティーンの他、ロイ・ビタン(キーボード)、クラレンス・クレモンズ(サックス)、ダニー・フェデリチ(キーボード)、ギャリー・タレント(ベース)、ニルス・ロフグレン(ギター)、スティーヴ・ヴァン・ザント(ギター)、マックス・ワインバーグ(ドラム)、パティ・スキャルファ(ギター、コーラス)。最強の顔ぶれです。