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Disc Review

Gettin’ Funkier All the Time: The Complete Josie/Reprise & Warner Recordings 1968-1977 / The Meters (Cherry Red)

ゲッティン・ファンキアー・オール・ザ・タイム〜ザ・コンプリート・ジョシー/リプリーズ&ワーナー・レコーディングズ 1968〜1977/ザ・ミーターズ

このところ何かと面白い再発盤を立て続けに編んでいる英チェリー・レッド・レコードからのリリース。2月あたりに出ていたものだとか。ぼんやりしていて、出たことにしばらく気づかず、先月末にあわててゲット。ニューオーリンズの至宝、とも言うべき、重く、粘っこく、そこはかとなく甘いファンク・グルーヴをぼくたちに思い知らせてくれたかけがえのないR&Bバンド、ミーターズの代表的音源を一気に詰め込んだCD6枚組です。

アート・ネヴィル(キーボード)を中心に、レオ・ノセンテリ(ギター)、ジョージ・ポーター・ジュニア(ベース)、ジョセフ“ジガブー”モデリスト(ドラム)という顔ぶれで本格的キャリアをスタートさせたミーターズ。アラン・トゥーサンのもとで様々なレコーディング・セッションのバック・バンドとしても機能していたことから、メンフィスのブッカー・T&ジ・MGズに対するニューオーリンズのミーターズ、みたいな。そういう図式で語られることも多いけれど。ミーターズの場合は、こう、なんというか、微妙なんだけど、メンバー全員が文字どおり一丸となるのではなく、むしろお互いが叩き出すビートの隙間を縫うようにして絡み合いながら強靱かつ豊潤なファンク・ビートを繰り出す、みたいな。

そういう感じなもんだから。これがもう、聞けば聞くほど味が出る。無敵だ。そんな彼らが1968年〜1977年、ジョシー〜リプリーズ〜ワーナー・ブラザーズとレコード・レーベルを渡り歩きながらリリースした音源をほぼすべて詰め込んだのが本6枚組。ここに8枚のオリジナル・アルバムがほぼフル状態で収められている。“ほぼ”ですが(笑)。さらに曲順とかにもちょっとクセがあって。その辺、賛否なくもなさそう。ざっくりおさらいしておくと——。

“Here Comes The Meter Man”と題されたディスク1は、1969年、ジョシー・レコードから出たファースト・アルバム『ザ・ミーターズ』と1970年のセカンド『ルック・ア・パイパイ』の2オン1。両者の間に、かつて2001年にCD化された際、世に出た未発表音源、バカラック・ナンバー「ザ・ルック・オヴ・ラヴ」と「ソウル・マシーン」がボーナス収録されている。

ディスク2は“A Message From The Meters”。1970年、ジョシー・レコードからの最後のリリースとなったサード・アルバム『ストラッティン』が基本になっている。ただ、冒頭の「チキン・ストラット」がシングル・ヴァージョンになっていて、そのあとにそのシングルB面曲「ヘイ! ラスト・ミニット」が入って、さらにCD化の際にお目見えしたボーナス曲「グラス」と「バロウ」が続いて、そこからようやく本来はアルバム2曲目の「レヴァー・スプラッシュ」へ。そのままアルバムのラストまでずずーっと行って。そのあと、またまたCD化の際に発掘されたボーナス音源「ファンキー・ミーターズ・ソウル」と「ミーターズ・ストラット」を挟んで、アルバム未収録のシングル音源3曲分のAB面、計6曲が続く、と。そういうなんだかワサワサした1枚です。

ディスク3は“Just Kissed My Baby”。冒頭にリプリーズ・レコードへの移籍第一弾アルバム、1972年に放った『キャベッジ・アレイ』の収録曲が並んでいるのだけれど、ここでもまずは同アルバムからカットされたシングルのAB面、「ドゥ・ザ・ダート」と「スマイリング」が入っていて、そのあと、残るアルバム収録曲が順番に並ぶ。で、CD化時のボーナス・トラック「チャグ・チャグ・チャガラグ」を挟んで、次なるアルバム、1974年の『リジュヴェネイション』のA面5曲全部と、B面1曲目の「ヘイ・ポッキー・ア・ウェイ」までが入っていて。

この時期のミーターズはアラン・トゥーサンのアレンジによるホーン・セクションをフィーチャーしたり、このディスクのタイトルにもなっている「ジャスト・キスト・マイ・ベイビー」にノー・クレジットでローウェル・ジョージが参加していたり、ロック・ファンの興味も惹く要素がふんだん。ぼくも個人的にミーターズをちゃんと聞くようになったのはこのアルバムからだった。と、そんなアルバムの残り3曲はディスク4に。“Mardi Gras Mambo”と名付けられたこのディスクは、『リジュヴェネイション』のB面2曲目以降の3曲で始まって、その後、シリル・ネヴィルがパーカッションで加わった1975年の『ファイア・オン・ザ・バイユー』の全11曲が続き、やはり2001年のCDにボーナス追加された5曲のうち4曲が並ぶ。

“Mister Moo”と題されたディスク5は1976年のアルバム『トリック・バッグ』が基本。ただ、ここでもやはりアルバムの1曲目「ディスコ・イズ・ザ・シング・トゥデイ」がシングル・カットされた際、そのB面に収められていた「ミスター・ムーン」が2曲目に昇格していて、そのあとに残るアルバム収録曲がずらりと並ぶ構成になっている。その後に、2001年CDにボーナス追加された、スティーヴン・スティルスの「ラヴ・ザ・ワン・ユーアー・ウィズ」とか、ニール・ヤングの「ダウン・バイ・ザ・リヴァー」とか、ビートルズの「カム・トゥゲザー」とかのカヴァーを含む5曲を収録。

そしてディスク6。“Be My Lady”というタイトルのもと、ワーナー・ブラザーズへと移籍して放ったオリジナル活動期最後のアルバム、タワー・オヴ・パワー・ホーン・セクションなども参加した1977年の『ニュー・ディレクションズ』がまるごと冒頭に入っていて。ここにも2001年のCD化のときのボーナス曲とか、リプリーズ〜ワーナー期のシングル・ヴァージョンとかが6曲、追加されている。

アルバム単位で聞きたいファンにはちょっとややこしい構成ではある。けれど、ミーターズの音源は過去、いろいろな形で再発されてきているので。アルバムごとに聞きたい場合はアルバムごとに買うほうがよいか、と。あるいは自分でこの6枚組からプレイリスト作ってもいいし。とにかくまとめて一気に楽しみたい、ミーターズ入門を果たしたい、みたいな方にはとりあえず絶好のアンソロジーです。

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