カインド・リマインダー/プロキシマ・パラーダ
2012年、ヴォーカルのニック・ラーソンを中心に、ギターのジョシュ・コリンズ、ベースのケヴィン・ミドルカウフ、ドラムのアーロン・クローガーという大学仲間が集って結成されたプロキシマ・パラーダ。
バンド名はスペイン語だとか。英語で言えば“ネクスト・ストップ”、次の停留所、みたいな意味らしいのだけれど。
そんな妙に前向きなバンド名とは裏腹に、この人たち、ごきげんなまでにレトロ感というかヴィンテージ感たっぷり。フォーク、ブルーグラス、アメリカーナからジャズ、R&B、ブルースまで、多彩な音楽性を独特の案配でブレンドしながら構築した、古き良きアナログ・カリフォルニア・グルーヴ、みたいな。
つまり、なんだか楽しい音楽ってこと。
本拠地はカリフォルニア州サン・ルイス・オビスポ。結成当初はローカルな活動以上のことを夢見たこともなかったらしいが、2014年、ファースト・アルバムをリリースしてみたところ、ソウルフルなメロディと、ハード・ヒッティングなビートを合体させたグルーヴィなサウンドが評判を呼び、そこそこグローバルな人気を博すようになってきた。
以降、着実にアルバム・リリースを重ねて、このほどめでたく2年ぶり、4作目のアルバムが出た。これまで以上に音像がプロっぽくなった1作。歌詞は相変わらず少々、こう、なんというか、心にのしかかる悩みを克服して平安と癒やしを求めるんだ…とか、過去の犠牲者になっちゃいけない、未来へと向かうための燃料として過去を使うんだ…とか、少々気恥ずかしくなる類いのメッセージを含んでいたりもするみたいだけれど、まあ、それはそれとして。
音のほうはブルー・アイド・ソウル的な歌声と、ポップ・サイケっぽかったりメロウっぽかったりいろんな表情をたたえたギターと、けっこうタイトなリズム隊とが心地よく融合。曲によってはストリングスがゆるく絡んだり、ニック・ラーソンの両親に実際に起こった気持ちのすれ違いを描いた曲で、ママその人、リンダ・オコネリーとデュエットしていたり…。いろいろやってます。あなどれないやつらです。