Disc Review

Immunity / Clairo (Fader)

2019.08.05

イミュニティ/クレイロ

ジョージア州アトランタ生まれ、マサチューセッツ州カーライル育ち。現在はニューヨーク本拠の20歳。今月半ばに21歳を迎えるクレイロことクレア・コトリル。ローファイでドリーミーな宅録ポップ「プリティ・ガール」がYouTubeで話題になったのが2017年。あれ、かわいかったなぁ…(笑)。メロウ・フェロウとかダニー・L・ハールとかクコとか同好の士と組んだ一連の共演シングルも楽しかった。去年のEP『Diary 001』もよかった。

なもんで、一時期、バンドキャンプでごく初期の作品群を探したりもしたっけ。まあ、基本、シンプルな打ち込みサウンドなので、生演奏愛好系の旧世代おぢさん音楽ファンとしてはあまり深くハマりこむまでは至らなかったものの、若さに似合わぬメロウかつエヴァーグリーンな曲作りのセンスとか、魅力的なささやき声とかに離れがたいものを感じて、そこそこ楽しませてもらってはきた。

それが、今年の2月に出た「シス」という新曲で、ちょっとギター寄りの揺れた音作りを聞かせるようになって。同時に出た「バブルガム」って曲のほうはウクレレの弾き語りだったりして。さらに5月に出た「バッグズ」にはハイムのダニエルが生ドラムで参加していて。だいぶ年寄りにもやさしい感触(笑)が音像にまっすぐ取り入れられ始めて。

でもって、本作。初のフル・アルバムの登場だ。以前の持ち味と近作での方向性とがいい形でブレンドした素敵な仕上がりの1枚。先週末に紹介したハイムの新曲にも関わっていたロスタムがここでも共同プロデュース。もちろん、個人的には先述した先行シングル「バッグズ」や、同趣向の「ソフィア」など、ダニエル・ハイム参加によるより生っぽい音像の楽曲のほうに心躍るわけだけれど。

ただ、打ち込みものでも、メロウなソングライティング感覚が全開になった「シンキング」とか素敵だし。ソーシャル・エクスペリメントのピーター・コットンテイル絡みの「インポッシブル」「クローサー・トゥ・ユー」「ノース」あたりでは、初期の儚い感触にとどまらない、ぐっとタイトに成長したところを披露してくれているし。クレイロならではの宅録DIY系ベッドルーム・ポップがサウンド面からも次のステップに移行しつつあることを教えてくれる。

歌詞もかなり深みを増している気がするけど、こちらの英語力に限界があるので、まだよくわかりません(笑)。ただ、「ホワイト・フラッグ」って曲で“15歳のとき初めて孤独を感じて/髪を切って『ラヴレス』ばかり聞いてた…”とか歌っていて。マイ・ブラッディ・ヴァレインタインかぁ…と。なんか、ぐっときました。この子のヴォーカルの感触とか、その秘密の一端がつかめたような…。

現在、ストリーミング/ダウンロードのみのリリース。フィジカルは今月半ばに出るそうです。そっち買わないと、かな。年寄り世代なもんで(笑)。

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