Disc Review

The Night Has A Thousand Soundalikes: 60s Teen Pop Influenced By Bobby Vee / Various Artists (Teensville)

BVTeensville

燃ゆる瞳に魅せられて〜ボビー・ヴィーを目指した男たち/クリフ・リチャード、ブライアン・ハイランド、ボビー・ヴィントン、ボビー・ダーリン、クリケッツほか

ひねりのきいたコンピレーション編纂でおなじみ、豪ティーンズヴィルから、またまたごきげんな1枚が出た。

今回のテーマはボビー・ヴィー。スナッフ・ギャレットのプロデュースの下、軽快さと優雅さ、甘さと切れ、切なさと躍動など、様々な要素を共存させたサウンドで一世を風靡した60年代最強のポップ・アクトだ。60年代に彼が放った全米ホット100ヒットは38曲。そのうち10曲がトップ20入りしている。それだけに、普通ならば彼の膨大なヒット曲のカヴァー集とかそういうことになりそうなところだが…。

さすがティーンズヴィル。そんなことじゃ修まらない。歌唱スタイル的に、あるいはサウンド的に、意図的に、あるいは無意識のうちに、ボビー・ヴィーの諸作に寄せた、いわばフォロワー的楽曲というか、パクリ曲というか、そういうものばかりを集めた強力なコンピを編み上げてくれた。

「サヨナラ・ベイビー(Take Good Care of My Baby)」「燃ゆる瞳(The Night Has A Thousand Eyes)」「天使か悪魔か(Devil or Angel)」「ラバー・ボール」「モア・ザン・アイ・キャン・セイ」「ラン・トゥ・ヒム」など、スナッフ・ギャレットの下でボビー・ヴィーが放ったヒット曲群というのはキュートでドリーミーな60年代アメリカン・ポップス最良の形。ということは、そのフォロワー的作品ばかりを集めた本コンピは、ある意味、最良のオールディーズ・ポップ集ということにもなる。聞き逃せません。

有名どころ、無名どころ、渾然と渦巻きながらめくるめくポップ・ワールドを構築している。ボブ・ゴーディオ/サンディ・リンザー作のトビン・マシューズ「ドント・メイク・フェイシズ」やジミー・クラントンの「アイル・ステップ・アサイド」、デヴィッド・ゲイツ作のクリケッツ「プレイボーイ」やマイケル・ランドン「ウィズアウト・ユー」、デイヴ・バージェス作のジェリー・フラー「シャイ・アウェイ」、マーク・バーカン/ベン・ラレイ作のニール・シェパード「イン・マイ・イマジネイション」、デヴィッド・ゲイツとともにのちにブレッドを結成するジミー・グリフィン「ホワット・カインド・オヴ・ガール・アー・ユー」(ジェリー・ケイプハート/グレン・キャンベル作、ジャック・ニッチ編曲)、コニー・フランシスなどへの曲提供でおなじみ、ゲイリー・テムキンの自作曲「アイム・ザ・フォール・ガイ」、トニー・ハッチがプロデュースしたマーク・ウィンター「アイム・カミング・バック・トゥ・ユー」など、気になる音源がずらり。

さらに、クリフ・リチャード「ジャスト・アナザー・ガイ」(ニール・ダイアモンド作。「かた時も」のB面)、ボビー・ヴィントン「トラブル・イズ・マイ・ミドル・ネーム」(ボビー・ヴィーの「パニッシュ・ハー」を作ったコンビ、ネヴァル・ネイダー/ジョン・グルック作)、ブライアン・ハイランド「シュッド・ビー・ゲッティング・ベター」(ネヴァル・ネイダー作。「ジニー・カム・レイトリー」のB面)、ヴィック・ダナ「アイ・ウォナ・ビー・ゼア」(ランディ・ニューマン作。「ア・グッド・イヤーズ・フォー・ガールズ」のB面)、日本語版シングルも出ていたことがあるガス・バッカス「世界の恋は君のもの」、ニック・ヴェネーのプロデュース+ジミー・ハスケルの編曲によるボビー・ダーリンの自作曲「トリート・マイ・ベイビー・グッド」といった有名シンガーの珍品なども。

このコンピだけでご飯何杯でも行けます!

国内盤も今月下旬には出るらしい。なんと1曲、ボビー・ヴィー本人の未発表ヴァージョンまで収録。往年のリバティ・レコードっぽさを踏襲したジャケット・デザインも素敵です。

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