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Disc Review

The Complete Recordings / Robert Johnson (Sony)

ザ・コンプリート・レコーディングズ/ロバート・ジョンソン

昔、ロバート・ジョンソンのことをホームページで書いたなと思って振り返ってみたら、ここにありました。前半はプロ野球選手会のストのこととか、CCCDのこととか取り上げていて。ああ、4年前かぁ…という感じですが(笑)。

その後半で書いた通り、ぼくがこの人のLPを初めて買ったのは、70年代半ば、日本で巻き起こったブルース・リヴァイヴァル・ブームのころだった。『キング・オヴ・ザ・デルタ・ブルース・シンガーズ』と題されたLPの第一集と第二集。ほんとによく聞いた。正直、最初はよくわからなかったものの、聞き込むうちにどんどんこの人の音楽の凄味を思い知るようになって。とともに、以前のアーティクルでも書いた通り、いわば“脳内デコード”というか、戦前に録音された物理的に劣悪な音質を自分の頭の中でいい音質へと変えて体感する技術というか(笑)、そういう部分も大いに鍛えてもらったものだ。40年代のチャーリー・パーカーと30年代のジミー・ロジャースとロバート・ジョンソン。ぼくにとってはこの三人がそっち方面での大恩人です。

その後、全録音集CD『コンプリート・レコーディングス』がリリースされて。テイク違い含めて全29曲41テイクがお目見え。さらに『キング・オヴ…』の第一集がCD化されたときにもうひとつの別テイクが初お目見えして。というわけで、その新たに発見された別テイクを含む全29曲42テイクを録音順に詰め込んだ正真正銘の『コンプリート・レコーディングス』がこのほど紙箱入り3枚組仕様で日本でリリースされた、と。正確には90年に出た『コンプリート・レコーディングス』の紙ジャケ復刻にボーナス・トラックとして別テイク1曲を加えたという形らしい。といっても、とにかく写真がない人だから。3枚の内袋は真っ白でした(笑)。

とにかく全人類必携のお宝。いいとか悪いとか、わかるとかわからないとか、そんなこと言ってる場合じゃなく、ロバート・ジョンソン体験なしにその後のロック、R&B、ブルースの正統な理解などできるわけがない。友人の奥田祐士が訳したトム・グレイヴズ著の最新研究本『ロバート・ジョンソン クロスロード伝説』も白夜書房から出た。併せて深めましょう。

それにしても、70年代当時、この人の録音に行き着いたころは、ある種“最古の音楽”にたどりついたような気分になったものだけれど。あれからいろいろ音楽に接してきて。この人の音楽に影響を与えた音楽とかも味わうようになって。最古だなんてとんでもない、けっこう新感覚の音楽だったこともわかってきて。やー、とどまるところ、ないっすねぇ(笑)。日々勉強っすね。

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© 2020 Kenta Hagiwara