Disc Review

The Golden Age of American Popular Music, Volume 2 / Various Artists (Ace)

ザ・ゴールデン・エイジ・オヴ・アメリカン・ポピュラー・ミュージック vol. 2

ニューヨークから帰国。今回はブライアン・ウィルソンのコンサートのほか、フォー・シーズンズをモデルにしたトニー賞ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』を見て、毎週月曜日にいまだ続いているレス・ポールのレギュラー・ライヴを見て、ソーホーにオープンしたてのロックンロール・ホール・オヴ・フェイム別館を見て…という、完璧にグッド・オールド・デイズ仕様。感謝祭直前のマンハッタンの浮かれ気分の中、時代を超えて変わらずに生き続ける古き良きアメリカ音楽を堪能してきましたよ。

と、そんな気分で帰ってきたら、郵便受けに届いていたのが本盤。古き良きアメリカン・ヒット・チャートを賑わしたポピュラー系ヒットを英ACEがコンパイルした盤、その第二弾です。タイミング絶好。フォー・プレップス、トニー・オーランド、ヴィック・ダナ、テンポズ、ロウヴァー・ボーイズなどを満載した第一集に続いて今回も、ボビー・ダーリン、ジミー・ロジャース、レターメン、リチャード・チェンバーレイン、サミー・ターナー、ロニー・ダヴ、アニタ・ブライアント、ボビー・ヴィントン、バディ・ノックス、スティーヴ・ローレンス、ルビー&ザ・ロマンチックス、ジーン・マクダニエルズなどによるポップ・ヒットがぎっしり。チャート・ヒット系のコンピレーションはどうしてもロックンロール中心に編まれることが多いなか、ACEのこの切り口は実にうれしい。ボブ・ディランがパクったビング・クロスビー曲をリバイバル・ヒットさせたトミー・マラの音源とかも入っていて。ごきげんだ。

ACEからは『The Golden Age Of American Rock 'n' Roll』と題したコンピが今のところ11枚出ていて。さらにそのカントリー編1枚、チャート100位以下を集めたバブリング・アンダー編1枚、ドゥーワップ編1枚、ノヴェルティ編1枚、さらにティーンエイジ・アイドルものを集めた『Teenage Crush』シリーズが5枚、ダンス・ヒットを集めた『Land Of 1,000 Dances』シリーズが3枚、ガール・グループ系の初期ヒット集『Early Girls』が5枚、レアなガール・グループ系音源集『Where The Girls Are...』が5枚、60年代後半のヒット集『Chartbusters USA』が3枚などなど、いろいろなコンピが出ている。でも、すごいのはその収録曲がほとんどダブらないってことだ。逆に言えば、どのコンピも廃盤にしていないってこと。素晴らしい。コンピ作りに対する確固たる意志と熱意を感じます。日本のレコード会社もこの姿勢、見習ってほしいすね。

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