Disc Review

Walk This Road / The Doobie Brothers (Doobie Doobie Doo Music/Rhino/Warner)

ウォーク・ジス・ロード/ザ・ドゥービー・ブラザーズ

もう一昨年のことになるのかな。トム・ジョンストン、パット・シモンズ、マイケル・マクドナルドがフロントに勢揃いしたドゥービー・ブラザーズが来日したのは。おー、3人が揃うのか! と盛り上がって、もちろん見に行きましたが。

でも、よく考えてみると、3人が勢揃い…ったって。勢揃いしてた時期って、オリジナル活動期、実はそんなに長くなかったような(笑)。ざっくり言えば、もともとトム・ジョンストンが体調を崩して、マイケル・マクドナルドが後を担った、みたいな形だったわけで。

オリジナル・アルバムで言うと、1976年の『ドゥービー・ストリート(Takin' It to the Streets)』と1977年の『運命の掟(Livin' on the Fault Line)』のときにトム、パット、マイケルの名前が同時にクレジットされている程度で。『運命の掟』のほうはほとんどトムさん、不在状態だったし…。

なので、3人が揃ったぞ! という事実のどこに盛り上がったらいいのかは、なんだか微妙だったりするわけですが。

でも、一昨年のライヴもまじ楽しかったし。前の列でずーっと映像撮り続るためにスマホを高く掲げてるアホな客のせいでステージが見えにくかったことにはむかついたけど。トム、パット、マイケルがそれぞれの楽曲を順に披露していく感じのステージは、まあ、とっちらかってると言えばとっちらかってるものの、マクドナルド以前も以後も、再結成後も、どれもがドゥービーズで、どれもがかっこいい、と。そんなお徳用ステージだったっけ。

それと同じようなテイストの新作アルバム、出ました。この3人に、途中加入のセカンド・ギタリスト、ジョン・マクフィーを加えた4人が現在のドゥービーズの核。山火事で壊滅的な被害を受けたハワイ、ラハイナの復興を願うラスト・チューン「ラハイナ」のみパットとマイケルの共作で。後はトム、パット、マイケルそれぞれの個性を活かしたオリジナル曲が順繰りに並んでいる、みたいな流れ。

でも、前作『リベルテ』に続いてプロデューサーを務めたジョン・シャンクスが全曲に共作者として名を連ねていて。そのおかげか、思いの外、全体の統一感はとれているような…。

でも、やっぱり全員がゲストのメイヴィス・ステイプルズも交えつつ代わる代わるリード・ヴォーカルを披露するマクドナルド作の表題曲がいちばん盛り上がるかも。

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