Disc Review

Islands In The Sun / Al Jardine (Universal)

アイランズ・イン・ザ・サン/アル・ジャーディン

長嶋が亡くなって。またもや時代なり文化なり、いろいろな区切りというか、節目というか、終焉というか、思い知らされるばかり。

時の流れにばかりはどうにも抗いようもないから。自分に与えられた残り時間とかもあるから。くだらないことに心を乱されることなく、“今”をたっぷり味わい、同時に、自分が生きてきた時代とか、改めて味わい直しながら、楽しく過ごしていきたいものです。

そんな思いで聞いているのが、ビーチ・ボーイズのオリジナル・メンバーのひとり、アル・ジャーディンの新EP。去年、新曲「ウィッシュ」をリリースしたとき、アルさん絡みの楽曲ばかり集めたプレイリスト作ったこともあったなぁ。

今回はそれ以来のリリース。シングル以外だと、2010年の『ア・ポストカード・フロム・カリフォルニア』以来か。今のところストリーミング/ダウンロード配信しか見ていないけど、フィジカル欲しいです。

『ア・ポストカード…』同様、今回もたくさんの音楽仲間が協力をしていて。ビーチ・ボーイズの同僚ブルース・ジョンストンや、息子さんのマット・ジャーディンはもちろん、前作のセッションからのアウトテイクにはニール・ヤング、レッチリのフリーらの名前も。

もちろんフィーチャー・トラックは1曲目の「アイランズ・イン・ザ・サン」で。トロピカルなアルさんのオリジナル曲。アルさんとマットのジャーディン親子がヴォーカルを分け合っている。コーラスにブルース・ジョンストンと、アルさんの奥さま、メリー・アンさん。地元の小学校3校の児童合唱団も参加。なんてことないけど、沁みます。

2曲目「マイ・プレイン・リーヴズ・トゥモロウ」は15年前の『ア・ポストカード…』セッションからの音源。ニール・ヤングとフリーが参加している。ジャーディン親子とヤングさんのヴォーカルが優しく交錯。フォーク・ファンのアルさんらしく、「私の試練(All My Trials)」とかにも通じるような曲調で、海外の戦争に軍隊を送り出すことに対する思いを綴っている。フリーがラストに進軍ラッパみたいな演奏をちらっと添えて。今の時代にこそ、ということかな。

3曲目「ハイウェイ101(ロザリータ・ビーチ・カフェ)」は、コースターズの「スモーキー・ジョーズ・カフェ」のトロピカル仕様の替え歌。ご存じ、ジェリー・リーバー&マイク・ストーラー作品だけど、ビーチ・ボーイズはかつてリーバー&ストーラー作、コースターズの前身であるロビンズの名曲「第九監房の叛乱(Riot In Cell Block No. 9)」の替え歌「ステューデント・デモンストレーション・タイム」ってのを1971年に歌っていたけど。言わば、それの続編的な?

で、4曲目「クランプル・カー」は1978年のサーフィン映画『ビッグ・ウェンズデー』のサントラ収録曲の改訂ヴァージョン。

アルさん、ブライアン・ウィルソン・バンドの面々とともにツアーもしているようだし。これからもお元気で、素敵な歌声聞かせ続けてください。

で、ちょっとついでと言ってはなんですが、今月、来月あたりのイベントのお知らせを改めて。8月にはちょっと意外かも、ですが、ドルビー・アトモス関連のイベントとかもやっちゃうかも。またお知らせしますね。

created by Rinker
¥500 (2025/06/05 10:10:55時点 Amazon調べ-詳細)

Resent Posts

-Disc Review
-