
アーススター・マウンテン/ハナ・コーエン
相変わらず仕事の進捗が遅々としていて。やんなっちゃうなぁ。仕事をこなすスピードがめっきり…(笑)。まあ、それが年齢を重ねるってことだろうから、抗いませんが。
ただ、せっかくさわやかないい天気の午後、仕事のことなんか気にしないでお散歩に出かけたいのに、なかなかそうもいかないという状況はなんとかしたいものだ、と。
そんな思いをさりげなくやわらげてくれる1枚、ご紹介しておきます。仕事が終わっていないのにお散歩に出かけちゃったとき、これ聞いてるうちに仕事のこととか忘れちゃう、みたいな?(笑) そういうありがたい1枚。ちょっと前、4月に出た盤ですが。ハナ・コーエン。久々。2019年の『ウェルカム・ホーム』以来、6年ぶりの新作です。
ハナさん、今はニューヨーク北部、キャッツキルの山々に囲まれながら、パートナーでプロデューサーのサム・エヴィアンと暮らしていて。そこではビッグ・シーフとかケイト・ボリンジャーとかもアルバム作りをしたスタジオ、フライング・クラウド・レコーディングスを運営していて。
そんな環境が活かされた仕上がりというか。春から初夏…って感じの、透明で、繊細で、さわやかで、思慮深いような、でも子供のように気まぐれなような、そんな世界観に貫かれた全10曲です。
オープニングの「ダスティ」って曲から、“信じられないようなものが見つかる/心をもてあそぶ/歳を重ねて、時が過ぎる/そして今、どこへ行ってもあなたがいる…”とか、なんだかよくわからないような、でもわかるようなイメージがそっと投げかけられて。
以降も、ベッドルーム・ポップっぽいような、チェンバー・ポップっぽいような、ドリーム・ポップっぽいような音作りの下、喪失、悲しみ、孤独、そして喜びをナチュラルに綴っていく。去年、本ブログでも紹介したサム・エヴィアンの『プランジ』と合わせて聞きたい1枚かも。
もちろん、ほぼ全曲がハナさんとサムさんの共作。1曲だけエンニオ・モリコーネのカヴァーあり。ご近所付き合いのスフィアン・スティーヴンスをはじめ、クレイロ、ショーン・マリンズ、オリヴァー・ヒルらもゲスト参加してます。
あ、それから、先日お知らせした朝日カルチャーセンターでのボブ・ディラン講座。お申し込みもいただけているようで。うれしいです。ありがとうございます。ぼくたちも楽しみにしています。