Disc Review

Till the Morning / Brian D’Addario (Headstack Records)

ティル・ザ・モーニング/ブライアン・ダダリオ

ご本人曰く、このアルバムは“カントリー・バロック”なのだとか。

レモン・ツイッグスのブライアン・ダダリオのソロ・アルバム。出ました。といってもバンドから脱退したとか、まったくの別プロジェクトとか、そういうわけではなさそうで。ともにレモン・ツイッグスを率いている弟、マイケルも参加。共同プロデュースを担い、1曲を共作し、曲によってはベースやドラムをプレイして、何曲かで歌って…。

じゃ、なんでレモン・ツイッグス名義で出さなかったのか。それはわからないけれど、たぶん音楽的にも歌詞的にも、ブライアンがバンドのときよりもよりパーソナルな内面に深く踏み込んで綴った曲たちだから…なのかも。ブライアン・ダダリオなりのシンガー・ソングライター・アルバムというか。

収録曲はこのアルバムのために一気に書かれたというわけではなく、以前からちょこちょこ書きためていた曲を集めてみたらひとつのコンセプトが見えてきた、みたいなものらしい。

ざっくり言えばアコースティック基調の、ペダル・スティールの響きなども印象的なフォーク/カントリー味が全体を貫いている1枚なのだけれど、そこはやはりレモン・ツイッグス、繊細でヴェルヴェットのようなサンシャイン・ポップ・フィールがどの曲にも感じられて。楽しい。

レモン・ツイッグス的な視点から紡いだフォーク/カントリー・テイスト、ということで。ラヴィン・スプーンフル的だったり、キンクス的だったり、ボー・ブラメルズ的だったり、ポール・マッカートニー的だったり、サイモン&ガーファンクル的だったり、カール・ウィルソン的だったり…。

ビーチ・ボーイズ人脈のスティーヴ・カリニッチが2曲、作詞に絡んでいるのも、なんだかその流れをきっちり継承している感じがあって。ほんと、頼もしいです。レモン・ツイイッグスのひとつ、ふたつ前の『エヴリシング・ハーモニー』との親和性が高いかな。“既視感”の醸しだし方が絶妙です。

今のところストリーミングがメイン。ヴァイナルあるいはカセットはレモン・ツイッグスのWEBでプレオーダー受け付けてます。

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