ザ・シングス・アイル・リメンバー:60年代のレア・ポップ・ソング名曲集/ヴァリアス・アーティスツ
知られざるハーモニー・ポップものとか、ティーンエイジ・アイドルものとか、埋もれた宝のようなオールディーズ音源を次々発掘して届けてくれる豪ティーンズヴィル・レコードが編纂した最新コンピ。出ました!
今年も——
この辺、すでに紹介していますが。今回はティーンエイジ・ポップもの。またまた34曲の隠れた傑作をコンパイルしてくれました。かつてのMSIに代わってティーンズヴィルの国内流通を仕切ってくれているディスク・ユニオンのページなど見ると来年1月とか2月とかに入荷、みたいなインフォメーションがなされているのだけれど、ティーンズヴィルのサイトで直接プレオーダーしておいたら、もうブツが届きましたー! うれしくなってご紹介です。
今回も細かいところ、ほじくってます(笑)。ザ・ストレンジラヴズ(フェルドマン=ゴールドスタイン=ゴッテラー)人脈のロニー・ラヴェル(aka ロン・ウィンターズ)とか。“オーストラリアのクリフ・リチャード”って感じのブライアン・デイヴィスとか。“フィラデルフィアのジーン・ピットニー”って感じのニール・ブライアンとか。
ホワイト・ドゥーワップとフォーク・ロックとの狭間を揺れているようなザ・デル・メイツとか、サーヴァースとか。バッキンガムズやアメリカン・ブリードと同様ホーン・セクションなどもいち早く音作りに導入していたシカゴ・エリアのバンド、ザ・リンカーン・パーク・ズーとか。
フィル・エヴァリーのお気に入りだったというバーニー・シュウォーツとか。ジョージ・ティプトン絡みのディック・ハフナーとか。ライチャス・ブラザーズの初期レーベルとして知られるムーングロウに所属していたジェリー・ミラーとか。ゲイリー・パクストンがプロデュースしていたジョニー・エンジェル&ザ・ヘイローズとか。ボブ・クルーに見出されたもののあまりパッとした成功を収められなかったジョン・コリーとか。
たまらんです。ちょっと名前が知られていそうなところだと、「ネヴァー・マイ・ラヴ(かなわぬ恋)」の作者としておなじみのジ・アドリシ・ブラザーズとか。ビートルズもカヴァーしたザ・ドネイズの「デヴィル・イン・ヒズ・ハート」の作者であるリッキー(リチャード)・ドラプキンとか。
アーチーズやカフ・リンクスの歌声としておなじみのロニー・ダンテ(ロン・ダンテ)が自身の名義でリリースしていた曲とかもあるし、ポール・アンカが1964年にノーマン・ニューウェルの下で行ったロンドン録音ものとか、1967年のMOR系ポップとかもあるし、ボビー・ヴィーがやはり1960年代中盤に採り上げたヴァン・マッコイ作品とかスローン=バリ作品とかもあるし。
またまた夢のような80分間を楽しめるコンピレーションです。ブックレットには貴重な写真や楽しいイラストとともに、ご存じカイラー・シュウォーツさんによる詳細な曲解説付き。ありがとうございます。
今回もストリーミングはないので、収録曲をダイジェストにしたティーザー・メドレーへのリンク、貼っておきますね。