NBPファイル vol.116:追悼 クインシー・ジョーンズ
クインシー・ジョーンズが亡くなりました。享年91。今さらぼくが何を語るまでもなく、本当に素晴らしい音楽家であり偉大なプロデューサーでした。大御所すぎてそのぶんいろいろ文句を言う人も少なくはなかったみたいだけれど。大物の座につくのも当然のとてつもなくでかい人だったと思います。
個人的には1995年、アルバム『Qズ・ジューク・ジョイント』のプロモーションのために来日したタイミングで、じっくりとインタビューさせていただいたのが最高にうれしい思い出。ブラック・ミュージック・シーンの今昔についていろいろしつこく質問を投げかけさせてもらったのだけれど。話が佳境に入ってきたら、「ちょっとみんな外してくれ。こいつとしっかり話さなきゃならないから…」と、お人払いまでして時間いっぱい、すべての質問に真っ正面から真剣に答えてくれたものです。懐かしい。
内容的にもものすごく興味深いインタビューだったので、いつか何らかの形で掘り起こせたらいいな、と思います。
僭越ながら追悼プレイリスト、作ってみました。クインシーというとマイケル・ジャクソンとかジョージ・ベンソンとかルーファスとかドナ・サマーとかブラザース・ジョンソンとかを含め1970〜80年代のプロデュース作品を思い浮かべる方が多いかも、ですが。そのあたりに踏み込むときりがないので、思いきり個人的な趣味に振り切って。1950年代から60年代、様々な場面でこの人が披露してきたジャジーなアレンジ作品の中からぼくが特に好きな歌もの10曲をクインシー自身の名義による演奏もの2曲で挟み込んだセレクションです。
たくさんの名作を生み出し届けてくれたことに心から感謝します。どうぞ安らかに。
RIP, Quincy - The Works of Q, 1955-1964
- Soul Bossa Nova / Quincy Jones (1962)
- 'Deed I Do / Ella Fitzgerald & Count Basie (1963)
- It Had to Be You / Ray Charles (1959)
- She's A Woman (W-O-M-A-N) / Sammy Davis, Jr. (1964)
- You'd Be So Nice To Come Home To / Helen Merrill (1955)
- There Goes That Song Again / Brook Benton (1961)
- I'm Gonna Laugh You Right Out of My Life / Peggy Lee (1961)
- I Could Write A Book / Dinah Washington (1955)
- Love Me / Sarah Vaughan (1959)
- The Best Is Yet to Come / Frank Sinatra (1964)
- That's What You Think / Gene Krupa Big Band, Anita O'Day & Roy Eldridge (1956)
- Quintessence / Quincy Jones and His Orchestra (1962)