ライヴ・イン・ハリウッド(デラックス・エディション)/リンダ・ロンシュタット
2019年に発掘リリースされたリンダ・ロンシュタットの初オフィシャル・ライヴ・アルバム『ライヴ・イン・ハリウッド』。米HBOが1980年、ハリウッドのテレビジョン・センター・スタジオで収録した音源から12曲のパフォーマンスを抜粋したうれしい1枚で。もちろん出たときすぐに本ブログでも大喜びで紹介させてもらいましたが。
なんとこのほど、前回のリリースからは省かれた8曲を加えた全20曲エディションがデジタル・リリースされた。ストリーミング・サービス用に改めてリマスタリングされているみたい。フィジカルは今のところなし。出る予定もなさそうだけれど、聞けるだけでとりあえずうれしい。ぼくはハイレゾでゲットしました。
大まかな内容に関しては以前のエントリーを参照していただければ、と。そのときも書いたけれど、時期的にちょうど1979年と1981年の来日公演の真ん中あたりのパフォーマンスだけに、いろいろ感慨深いものがあります。
今回追加収録されたのは、「パーティ・ガール」(エルヴィス・コステロ)、「アイ・キャント・ヘルプ・イット」(ハンク・ウィリアムス)、「まぼろしの恋人(Look Out for My Love)」(ニール・ヤング)、「激愛(Mad Love)」、「愛は買えない(Cost of Love)」、「嘘(Lies)」(ザ・ニッカーボッカーズ)、「銀の糸と金の針(Silver Threads and Golden Needles)」(ワンダ・ジャクソン)、「ヒート・ウェイヴ」(マーサ&ザ・ヴァンデラス)という8曲。
これまた前回も書いたことの繰り返しになるわけですが、ケニー・エドワーズ(ギター)、ダニー・コーチマー(ギター)、ダン・ダグモア(ペダル・スティール)、ビル・ペイン(キーボード)、ボブ・グラウブ(ベース)、ラス・カンケル(ドラム)、ウェンディ・ウォルドマン(コーラス)、ピーター・アッシャー(パーカッション、コーラス)らバックを固める顔ぶれが、この時期のリンダがよく取り上げていたニュー・ウェイヴ寄りの楽曲から、おなじみポップR&Bのカヴァーから、ナゲッツ系のガレージ・ロックンロールから、シンガー・ソングライター系のカントリー・ロックから、もろのカントリーから、もう何から何まで、すべて完璧に演奏してみせていて。
前回、フィジカルで出たときも圧倒されたけれど、今回その音楽性の幅がますます広がって。さらに感服しました。もちろんリンダ本人のヴォーカルも完璧だし。
こんな奇跡のポップ歌姫と同時代を過ごせたことに改めて感謝するばかり。こっちの拡張版のフィジカルも出してほしいな…。