Disc Review

Live In Hollywood / Linda Ronstadt (Rhino)

投稿日:2019.02.04 更新日:

Hollywood

ライヴ・イン・ハリウッド/リンダ・ロンシュタット

リンダってオフィシャルにはライヴ・アルバム出していなかったんだね。

てことで、米ウェストコーストの永遠の歌姫、リンダ初のライヴ・アルバムだ。これまでにも怪しげなドイツでのライヴ盤とかあるにはあったけれど、今回はライノ/ワーナーからの公式盤。米HBOが1980年、ハリウッドのテレビジョン・センター・スタジオで収録した音源の発掘リリースだ。時期的には79年と81年の来日公演のちょうど真ん中あたりのパフォーマンスってことになる。

この人の場合、70年代半ばまでは当時もっともトレンディだったカントリー・ロックの歌姫として活躍。彼女自身は曲を書かないが、エリック・カズ、イーグルス、ニール・ヤング、J.D.サウザー、カーラ・ボノフ、ウォーレン・ジヴォンといったコンテンポラリーなシンガー・ソングライター系の音楽仲間たちの楽曲を巧妙にピックアップし、ポップなフィールドに向けて広く紹介する役割を果たしていた。

やがて70年代半ば以降はマーサ&ザ・ヴァンデラス、スモーキー・ロビンソン、バディ・ホリー、チャック・ベリー、ドリス・トロイ、リトル・アンソニー&ジ・インペリアルズなど、古きよきオールディーズ・ヒットのカヴァーでシーンをにぎわすようになった。

同時にパンク/ニュー・ウェイヴ系の音作りを積極的に取り入れるなど、相変わらず時代の最先端への目配りも忘れてはいなかったものの、単に流行のサウンドを追いかけるだけではなく、やがてはジャズ・スタンダードからメキシコ音楽まで、自らのルーツのようなものへの思いをも強く表明するようになっていくわけだけれど。

と、そうした両方向性が混在する時期に行なわれたライヴだけに、なんというか、いいとこ取り。ごきげんな仕上がりだ。ケニー・エドワーズ、ダニー・コーチマー、ダン・ダグモア、ビル・ペイン、ボブ・グラウブ、ラス・カンケル、ウェンディ・ウォルドマンらバックを固めるメンバーの顔ぶれもすごい。完璧なバッキングを得てリンダのヴォーカルも絶好調だ。

ホリーズ(イーヴィ・サンズ)→バディ・ホリー→リトル・フィート→ドリス・トロイ→ロイ・オービソン→J.D.サウザー→リトル・アンソニー→ウォーレン・ジヴォン→ベティ・エヴェレット(ディー・ディー・ワーウィック)→ビリー・スタインバーグ→チャック・ベリー→イーグルスと続くセットリストも見事。全12曲中9曲がヒット・シングル。残る3曲も「ウィリン」「あてにならない恋」「ならず者」だから。捨て曲なし。代表曲だらけ。

やっぱ、この人にはいくら感謝してもし足りない。新旧、いろんないい曲を教えてもらった。お世話になりました。足を向けて寝られない。と、そんなことを改めて思い知りました。

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