キープ・ダンシング/ザ・コーレッツ
また取り上げちゃいます。コーレッツ。2カ月くらい前、本ブログでもニュー・シングル「カリフォルニア」を紹介したばかりですが。またまたニュー・シングル、出ました。「キープ・ダンシング」と「ブーム・ブーム・ブーム」の2曲をカップリングにした7インチ・アナログ盤。クリスタルズのラ・ラ・ブルックスをゲスト・ヴォーカルに迎え、ワンダーミンツのダリアン・サハナジャがミックスに協力した前シングルに続いて、今回の2曲はリチャード・ゴッテラーがミックスを手伝っているらしい。またまた人選がごきげんだ。
ゴッテラーさんといえば、1960年代、ボブ・フェルドマンとジェリー・ゴールドスタインと組んで、3人自ら“ストレンジラヴズ”と名乗って放った「アイ・ウォント・キャンディ」(バウ・ワウ・ワウのカヴァーでおなじみ)や「ナイトライフ」(J・ガイルズ・バンドでおなじみ)、マッコイズの「ハング・オン・スルーピー」など、いかにも60年代半ば以降のR&B色濃いアメリカン・ロックンロール系作品群とか、エンジェルズの「マイ・ボーイフレンズ・バック」やピンナップスの「ルッキン・フォー・ボーイズ」、パウダー・パフズの「マイ・ボーイフレンズ・ウッディ」といったガールグループ系とか、ジェリー・バトラーの「ギヴィング・アップ・オン・ラヴ」のようなソウル系とか、無数のヒットを放ったソングライター/プロデューサー。
今年に入ってコーレッツは何枚かシングルを連発していて。2月に出た「シェイク/ユー・ウー・ミー」、7月の「カリフォルニア/ラン・ラン・ラナウェイ」、そして今回の「キープ・ダンシング/ブーム・ブーム・ブーム」、この3枚、計6曲は、どれも9月27日リリース予定のニュー・アルバム『ザ・ソウル・オヴ…ザ・ファビュラス・コーレッツ』に収録されるみたいなので。アルバムが出てから取り上げればよさそうなものだけど。
アルバム出たら、それはそれでまた紹介しますので(笑)。やっぱ、このデンマークとブラジルの国際結婚ロックンロール・デュオ、いつもいつも最高なので、アルバム発売を待ちきれず取り上げちゃいました。
ちなみに、新作アルバムはCD、LP、カセットで発売予定。もちろんぼくはアナログLPで注文ずみです。本当に楽しみ! 特にここ2枚のシングルを聞いていると、あくまでもフラヴィアさんのギターとマーティンさんのドラムだけをメインにぐりぐり押しまくってごきげんなロックンロール音像を構築していた前アルバム『バック・イン・モノ』に対して、今回のほうが幅を広げた仕上がりになりそうな予感もあって。
フラヴィアさん、ディストーションの効いたエレクトリック・ギターだけでなく、アコースティック・ギター、12弦ギター、ベースなどもダビングしているみたいだし、マーティンさんもティンパニーとかカスタネットとか叩いているみたいだし、今回も共同プロデュースを手がけているセーレン・クリステンセンがピアノ、メロトロン、オルガンなどを重ねているみたいだし、デンマークのバンド、ブラック・トルネードのホーン・セクションが「シェイク」をはじめ何曲かに参加しているみたいだし…。
音楽的にもガール・グループものとかモータウンものとかへの愛情がより濃いめに炸裂しているらしい。いいっすねー。
ただ、歌詞の面では、タイトルと裏腹の微妙な孤独感のようなものを歌った「カリフォルニア」とか、今回、複雑な関係にあった父親の死を体験してフラヴィアさんが何を感じているかを綴った「キープ・ダンシング」とか、ぐっと深く、ディープになっているようで。外向きの音作りと内向きの歌詞世界とがアルバム全体でどんなふうなコンビネーションを見せているのか、そのあたりの案配も興味深い。
てことで、とにかくこのシングル聞きながら、27日のアルバム・リリースを待ちます。