Disc Review

Live Through The Years -Japan Edition- / Billy Joel (Sony Music Labels)

ビリー・ザ・ベスト:ライヴ!/ビリー・ジョエル

去年に引き続き、今年も大物アーティストの来日が相次ぐようで。4月にやってきてくれるジェイムス・テイラー関連のプレイリストを公開したときにも書いたことの繰り返しにはなりますが。

うれしい! と同時に、いろいろと厳しい…。みんなチケット代がバカ高いんだもの(泣)。どれもこれも、昔だったらオペラの引っ越し公演でも見られそうな額。ほんとポップ音楽を味わうのも大変な昨今です。まあ、サブスクのおかげで音盤を従来ほどたくさん買わなくてすむようになったのは事実で。そのぶんライヴを見るのにお金がかかるようになった、みたいな、そういうバランスなのかな。ミュージシャン側からすると、そうでもしないと活動を維持できませんよ…的な? だったら仕方ないけど。

ブルーノ・マーズはもう明日からっすね。そのまま21日まで東京ドームで飛び飛びに7公演ぶちかまして。その後を受け、ビリー・ジョエルもやってくる。1月24日に16年ぶり、たった一夜限りの東京ドーム公演! まじ、楽しみ。

ちなみにその前日は、本ブログのCRTインフォメーションのコーナーとかでも告知している通り、新宿ロック・カフェLOFTでCRTビリー・ジョエルまつりです。いい感じに気分をあっためて翌日の盛り上がりにつなげたいものですが。

この久々の来日に向けて来日記念盤も出ました。それが『ビリー・ザ・ベスト:ライヴ!』。これ、かつて映像作品として、あるいは各種再発盤のボーナスなどとして世に出たライヴ音源をかき集める形で2019年にデジタル・リリース(配信のみ)された全20曲収録の“Live Through the Years”を下敷きにしたライヴ・コンピレーションで。日本独自に新たな音源を足したり、ヴァージョンを大幅に入れ替えたりしつつ全32曲入りへと拡張したCD2枚組。世界初CD化が13曲、日本初CD化が6曲。同じ曲でも2019年配信版とは収録日時、会場が異なるヴァージョンが選ばれていたりするので油断できない。

ブレイク以前、1972年の若々しいパフォーマンス「キャプテン・ジャック」から、2008年のオーストラリア公演で披露された「クリスマス・イン・ファルージャ」まで。様々な時代に様々な会場で収録された音源から選り抜かれた充実パフォーマンスが、大まかに年代順に並べられている。ファンにはおなじみ、1976年のライヴを収めた映像作品『ビリー・ジョエル・トゥナイト』からの音源も4曲。1977年のカーネギー・ホール公演からのアウトテイクもある。ハッスルズ時代にもカヴァーしていたサム&デイヴ作品「ユー・ガット・ミー・ハミン」(12インチ・シングルのカップリング曲として世に出た『ソングス・イン・ジ・アティック』からのアウトテイク)とかもうれしい。

これ聞くと、改めてビリー・ジョエルって人、歌唱はもちろん、ピアニストとしての腕もとてつもないなと再確認できる。アダルト・コンテンポラリーな持ち味をたたえたシンガー・ソングライター…という佇まいゆえ、レコーディング・スタジオでのパフォーマンスが基本なのかなとも思われがちな人ではあるけれど。いやいや、この人の本領はスタジオでよりもライヴでこそ発揮されるのだな、と思い知る。ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンでのレジデンシャル公演をほぼ100回、えんえんソールドアウトさせ続けた実績は伊達じゃないってことか。

今回の東京ドーム公演、VIP SS席ってのは10万円なんだね。じゅーまんえん。すごいね。ぼくは普通のS席、24000円だけど。それだってずいぶんな値段。なので、値段ぶん、隅から隅までとことん楽しむぞーっ、おーっ!

Resent Posts

-Disc Review
-, , ,