ザ・レスト・イズ・ヒストリー/トーマス・ウォルシュ
“アイルランドのXTC”などと呼ばれ、その筋で熱く支持されるバンド、パグウォッシュ。
今朝の主役、トーマス・ウォルシュはその中心メンバーだ。こちらは“アイルランドのジェフ・リン”とか呼ばれたりもしていて(笑)。常に他の何かに例えられちゃうというのも微妙だなとは思いつつ、まあ、この人の音楽性が具体的に伝わってくるっちゃくる例えではあるのでよしとしますが。そんなウォルシュさんの初ソロ・アルバム、ついに、満を持して、リリースされましたー!
2017年にジェイソン・フォークナーのプロデュースの下でリリースされたパグウォッシュのアルバム『シルヴァーレイク』も、その段階ですでにバンドは解散しており、実質ウォルシュさんのソロ・プロジェクトだったわけだけど。でも、名義的には今回が初のソロ名義。心機一転です。めでたい。
ウォルシュとポップ・ユニット“ダックワース・ルイス・メソッド”を組んで活動したりもしていたディヴァイン・コメディのニール・ハノンとの共作曲「ア・グッド・デイ・フォー・ミー」で幕開け。いきなり胸キュン系のキュートなメロディとハーモニーで聞き手のポップ心をくすぐってくれたところで。
以降、ポップ・サイケ調あり、爽やかなミディアム・スロウ系あり、ハードなギターとベースがうねるパワー・ポップものあり、自身の人生をシリアスに振り返る内省ソングあり、オリエンタルなエキゾチシズムがほのかに漂うものあり、アビー・ロード・スタジオでレコーディングされたというストリングス入りのバラードあり…。トーマス・ウォルシュならではの個性が炸裂するあの手この手のオリジナル曲がずらり全11曲。
「オール・ジス・ハート」にジョー・エリオット(デュエット・ヴォーカル)、「テイク・ユア・タイム」にマイケル・ペン(曲共作およびピアノ、ギター)、「マン・ライズ・ダウン・アゲイン」にニール・ハノン(ギター)、「ジス・イズ・マイ・フォートレス」にマット・ベリー(キーボード、コーラス)らが客演。的確なサポートを聞かせています。あと、クレジットにバーバラ・ガスキンの名前があったけど、何やってるんだろう…。
Amazonでの扱いがなんだか変。少なくともこれ書いている2023年10月30日現在、リンクが妙なことになってます。こういうときはバンドキャンプとかがいちばん頼りになるのかな。以前とりあげたユニ・ボーイズ同様、キュレイション・レコードのWEBストアにアクセスするのもよいかも。いずれにせよ、こりゃ断然、ヴァイナル向きの1枚だな。限定イエロー・ヴァイナルとかもあるようなので。急がなきゃ!