Disc Review

The Good Life / George Freeman (HighNote Records)

ザ・グッド・ライフ/ジョージ・フリーマン

いつもなら毎週木曜日はスロウバック・サーズデイ恒例ってことで、プレイリストを選ぶ日にしているのだけれど。今週はあんまりいいテーマが思いつかず(笑)。急に涼しくなったので、秋の歌とか、10月の歌とか、そういうの軽く選ぼうとちょこちょこ選曲してみたものの、案外ありきたりになっちゃううえ、秋をテーマにした曲ってどうしても暗めなものが多くて…。結果、今ひとつ盛り上がらず。

なもんで、ちょっと今週はプレイリストをお休みして。以前、紹介しようと思っていたのにタイミングを逃して紹介しそびれていた盤をひとつ思い出しておくことにしましょう。リチャード“グルーヴ”ホームズやジミー・マグリフら、ソウルフルなオルガン・ジャズの担い手たちのバンドでのプレイでおなじみのギタリスト、ジョージ・フリーマンが今年の6月にリリースしていた新作です。

この人、1927年生まれってことなので今年で御年96歳! フォン・フリーマンとエルドリッジ“ブルーズ”フリーマンの弟で、チコ・フリーマンの叔父にあたる人で。チャーリー・パーカーやベン・ウェブスターといったジャズの偉人たちとも共演してきた超ベテラン、シカゴ・ジャズ・シーンの生けるレジェンドですが。

去年の4月、95歳を迎えたとき、それを祝して新録1曲だけ含むお祝いコンピ『エヴリバディ・セイ・イエー!』を編んでいて。さすがにそろそろ“終活”かなとしみじみ思ったりしていたのだけれど。とんでもない。その盤を出した直後、新作のレコーディングにとりかかっていて。

それが本作だ。新作としては2019年のファンキーなブルース・アルバム『ジョージ・ザ・ボム!』以来4年ぶり。冒頭3曲が去年の6月13日、ジョーイ・デフランセスコ(オルガン)とルイス・ナッシュ(ドラム)を従えたオルガン・トリオ編成でのレコーディングで、4曲目以降がそのちょっと前、5月7日にクリスチャン・マクブライド(ベース)とカール・アレン(ドラム)とともにレコーディングしたもの。レコーディングの段階でデフランセスコが51歳、マクブライドが49歳。95歳のフリーマンとの世代を超えた夢のセッションだ。

現代最高峰ベーシストであるマクブライドの推進力に満ちた絶品プレイにがっちりサボートされたアルバム後半の曲たちにももちろんしびれるわけですが、今回の聞きものはデフランセスコと組んだ前半3曲かな。フリーマンのギターにはやっぱりオルガン・トリオ編成が似合う。しかも、このレコーディングの直後、2022年8月にデフランセスコが51歳という若さで他界してしまったことを思うと、余計に胸にくる。

サイドマンとして、リーダーとして、オルガン・ジャズ最新の息吹をシーンにもたらし続けてきたデフランセスコにとってこれが最後のレコーディング・セッションになってしまったのだとか。そう思うとますます聞き逃せません。

1曲目「イフ・アイ・ハッド・ユー」とラスト「ザ・グッド・ライフ」がスタンダード曲のカヴァー。間に挟まれた5曲がジョージ・フリーマンのオリジナルだ。最後の曲の選び方と、それをアルバム・タイトルに冠するあたり、またまた終活っぽいイメージで。改めてしみじみしちゃうのだけれど。いやいや、去年のコンピのとき同様、またいい形で、ファンキー&グルーヴィーに裏切ってもらえることをひそかに期待してます。

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