カム・アラウンド・アンド・ラヴ・ミー/ジェイレン・ンゴンダ
レトロ・ソウル・シーン注目のニュー・カマー、ジェイレン・ンゴンダ。米メリーランド生まれ、ワシントンD.C.育ちで、2014年に英リヴァプールに移住して現在はイギリスを拠点に活動しているというソウル・アーティストだ。
2016年にイギリスでデビューEPを出しているけれど、本格的に注目が集まり始めたのは去年、ダップトーン・レコードからリリースしたシングル「ジャスト・ライク・ユー・ユースト・トゥ b/w ホワット・ア・ディファレンス・シー・メイド」で。これがそのスジでけっこう話題になっていたので、耳にしたことがある方も少なくないと思うけど。そんな注目のジェイレン・ンゴンダのファースト・フル・アルバムがついに登場です。
この人、11歳のころからジャズ、ヒップホップ、ソウルなどを満載した父親のレコード・コレクションで音楽に親しみながら育ったそうで。特にモータウンやフィラデルフィア系のヴィンテージ・ソウルにどハマリ。14歳ごろからは自分でもそれっぽい曲を書くようになったらしい。
というわけで、本作にもマーヴィン・ゲイやスモーキー・ロビンソン、スピナーズ、ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルーノーツ、カーティス・メイフィールドといった偉大な先達からの影響をたっぷり浴びた黄金のソウル・サウンドがこれでもかと溢れている。マイク・バックリーとヴィンセント・チアリートがプロデュース。収録曲の大半がこの二人とジェイレン・ンゴンダの共作曲だ。
どの曲も適所にストリングス、コーラス、ヴァイブラフォン、グロッケンなど往年のポップ・ソウルには欠かせないアイテムを巧みに配し、聞き手をいい心地にしてくれる。ファルセットも交えつつのハイトーン・ヴォーカルも泣ける。
ニュー・ソウル・ムーヴメントが盛り上がっていた1970年代前半の高揚感を思い出しちゃいましたー。Amazon、なぜか今のところダウンロードの他はアナログしかない…。まあ、そういうタイプの音楽だからむしろ歓迎だけど。CDでゲットしたい方は他のWEBストアへ。