NBPファイル vol.26:追悼、オリヴィア・ニュートン・ジョン
オリヴィア・ニュートン・ジョンが亡くなりました。
1970年代から80年代にかけて、そのとびきりキュートな歌声と笑顔でぼくたちの心を励ましたり癒したりし続けてくれたポップ・シーンとこしえの歌姫。現地時間8月8日の朝、家族や友人に見守られながらの旅立ちだったそうです。
1990年代以降、自身が患った乳がん治療の啓発活動に力を入れていたことでもおなじみ。今年、自伝の翻訳が日本でも出たばかり。享年73。長い闘病だったけれど、やはりまだ早すぎる気も…。
ぼくも特に1970年代、高校時代から大学時代にかけてよく聞いたものです。確か1972年ごろ、ミュージック・ライフ誌だったと思うけれど、クリフ・リチャードの秘蔵っ子みたいな謳い文句でデビューした女の子のニュースが載っていて。しかもボブ・ディランの「イフ・ノット・フォー・ユー」のカヴァーやってるというし。こりゃ聞かなきゃ…と。そんなふうに出会って一気に好きになって。でも、以前ここでバリー・マニロウやアン・マレーについて書いたのと同じく、学校ではあまり同好の仲間を見つけることができず。おうちでひとり、彼女のアルバムを聞きながら、いろいろ日々の憂さをやさしく晴らしてもらっていたものです。
ということで、いつもならば木曜日に選曲しているNBPプレイリスト。今日は火曜日ですが、イレギュラーで選曲させてもらいました。1971年から1980年まで、1970年代のオリヴィアの歌声プレイリスト。初期オリジナル・アルバムから1枚1曲ずつ選んで、年代順に並べてあります。
「レット・ミー・ビー・ゼア」とか「愛の告白(I Honestly Love You)」とか「そよ風の誘惑(Have You Never Been Mellow)」とか、超おなじみであろう特大ヒット曲も入れたかったけれど、まあ、そういうのはサブスクのプレイリストとかベスト盤とかにおまかせして。ただ、ラストだけはド派手に「ザナドゥ」で…というセレクション。
それでも、ちょうど半分の6曲、「イフ・ノット・フォー・ユー」「プリーズ・MR・プリーズ」「秋風のバラード(Something Better To Do)」「一人ぽっちの囁き(Come On Over)」「愛すれど悲し(Hopelessly Devoted to You)」「ザナドゥ」がシングル・ナンバー。あとの半分がアルバム曲。オリヴィアの豊かな魅力を12曲で味わうにはこのくらいがいいバランスかも。
この時期のあと、オリヴィアはご存じ「フィジカル」の大ヒットをかっ飛ばし、新たな黄金時代を迎えることになるわけですが。今回はあえてその前まで。「チェンジズ」のようなご本人作のものも含めたオリジナル・チューンあり、カヴァーあり。キュートで、無垢で、みずみずしいオリヴィアの歌声を味わいながら、かけがえのない歌姫の旅立ちを悼みましょう。
- If Not For You (from album “If Not for You”, 1971)
- Changes (from album “Olivia”, 1972)
- Heartbreaker (from album “Let Me Be There”, 1973)
- Have Love, Will Travel (from album “Long Live Love”, 1974)
- Please Mr Please (from album “Have You Never Been Mellow”, 1975)
- Something Better To Do (from album “Clearly Love”, 1975)
- Come On Over (from album “Come On Over”, 1976)
- A Thousand Conversations (from album “Don't Stop Believin' “, 1976)
- Slow Dancing (from album “Making a Good Thing Better”, 1977)
- Hopelessly Devoted to You (from album “Grease: The Original Soundtrack”, 1978)
- Never Enough (from album “Totally Hot”, 1978)
- Xanadu (with Electric Light Orchestra) (from album “Xanadu: soundtrack”, 1980)