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Disc Review

Noise and Flowers / Neil Young + Promise of the Real (Reprise)

ノイズ・アンド・フラワーズ/ニール・ヤング+プロミス・オヴ・ザ・リアル

ウィリー・ネルソン翁の息子さん、という説明はもういらないのかな。ルーカス・ネルソン率いる極上のルーツ・ロック・バンド、プロミス・オヴ・ザ・リアル。

以前も本ブログで紹介したことがある通り、ハワイに住んでいたルーカスがロサンゼルスにやってきてバンドを結成、初EPを出したのが2009年で。以来、バンド単独でアルバム・リリースを重ねてきたのはもちろん、2012年に親父さんのアルバム『ヒーローズ』で見事なサポートぶりを発揮したり、2014年のファーム・エイドでの共演を皮切りに頼れる先輩、ニール・ヤングのバック・バンドとしての役割を担ったり…。

ニール・ヤングとタッグを組んだアルバムとしては、遺伝子組み換え食材を扱うモンサント社への抗議を前面に押し立てた2015年の『ザ・モンサント・イヤーズ』、その年のツアーで収録したライヴ音源にスタジオで後ダビングをほどこす形で構成した2016年の『アース』、米国大統領に就任したトランプに対する怒り、環境破壊に対する警告などが渦巻く2017年の『ザ・ヴィジター』、まだ再婚以前、交際中だった女優ダリル・ハンナが脚本と監督を手がけた映画のサウンドトラックとしてリリースされた2018年の『パラドックス』などがあるわけだけれど。

そんなニール・ヤング+プロミス・オヴ・ザ・リアルが2019年に行なったヨーロッパ・ツアーの模様を記録したライヴ・アルバムが本作『ノイズ・アンド・フラワーズ』だ。ニールさんのアーカイヴ・シリーズ内“パフォーマンス・シリーズ”のvol.21とナンバリングされている。

長年マネージャーをつとめた生涯の友、エリオット・ロバーツが2019年6月に76歳で他界。その2週間後にスタートした9日間のツアーということもあり、ニールさんはステージ上にいつもロバーツの写真を置き、彼を偲ぶ追悼ライヴとして臨んでいたのだとか。ニールは、“彼との想い出の下で演奏することで、特別なツアーになった。ツアーに出たぼくたちはどの曲にも彼の偉大な精神を取り込んだ。すべての音は、音楽の素晴らしき友、エリオットのためにプレイされた”と語っていて。

まさに、盟友エリオット・ロバーツに捧げる“最強のノイズと、心のこもった花束”という思いがアルバム・タイトルにこめられているのだろう。それだけに選曲が泣ける。

バッファロー・スプリングフィールド時代の「ミスター・ソウル」(1967年)に始まり、クレイジー・ホースとの「エヴリボディ・ノウズ(Everybody Knows This Is Nowhere)」(1969年)、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング時代の「ヘルプレス」(1970年)、アルバム『カムズ・ア・タイム』からの「約束の地(Field Of Opportunity)」(1978年)、ストレイ・ゲイターズとの「アラバマ」(1972年)、パール・ジャムとの「スロウ・ユア・ヘイトリッド・ダウン」(1995年)、ご存じ「ロッキン・イン・ザ・フリー・ワールド」(1989年)、再び『カムズ・ア・タイム』からタイトル・チューン「今がその時(Comes a Time)」(1978年)、アルバム『ハーヴェスト・ムーン』から「フロム・ハンク・トゥ・ヘンドリックス」(1992年)、アルバム『渚にて(On the Beach)』よりそのタイトル・チューン(1974年)、再びストレイ・ゲイターズとの「国のために用意はいいか?(Are You Ready For The Country?)」(1972年)、ファースト・ソロ・アルバムからの「君を待ち続けて(I’ve Been Waiting For You)」(1969年)、オリジナル・アルバム未収録だった「ウィンターロング」(1973年)、そして締めはやっぱりクレイジー・ホースとの「ファッキン・アップ」(1990年)。

エリオット・ロバーツとの旅路をじっくり辿るように、有名どころからちょっとマニアックなところまで、ワイルドなエレクトリックものからジェントルなアコースティックもの、つまりノイズから花束まで、1960〜90年代、20世紀に様々な仲間たちと組んで発表した楽曲群にまんべんなく目配りしつつ、それを当時、21世紀最新のタッグ仲間だったプロミス・オヴ・ザ・リアルとともに奏でる。時間軸をぐいっと腕尽くで連環させつつ、友情と思い出と喪失を歌うセットリストとパフォーマンスだ。

“Come back now, come back now”と切なく繰り返す「ウィンターロング」がむちゃくちゃ沁みる。プロミス・オヴ・ザ・リアルのコーラスに支えられながらニールさんは、泣きそうな声で“it's not so easy for me now”と綴るのだった。でも、その直後、爆音で「ファッキン・アップ」へと突入するところもまたどうしようもなくニール・ヤング。

1CD、2LP、ダウンロード、ストリーミングなど、様々なフォーマットで本日リリースされたのだけれど。ぼくはCD+2LP+コンサート映像入りBlu-rayという豪華デラックス・エディション・ボックス(Amazon / Tower)を注文しちゃっていて。これ、まだブツが届いていないというか、まだ入荷すらしていないみたいなので、音は昨深夜スタートしたストリーミングで聞いております。深夜におふとんに入ってからも何周か聞きまくり(笑)。が、それでも大いに盛り上がる。最高だ。

あ、もちろんSpotifyには入ってませんよー(笑)。

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