Disc Review

"Happy" in Galoshes / Scott Weiland (Softdrive)

“ハッピー”イン・ガロッシュズ/スコット・ウェイランド

噂通り、むずかしい人なんだろうなぁ。スコット・ウェイランド。ストーン・テンプル・パイロッツでも人間関係をうまく維持できず、ヴェルヴェット・リヴォルヴァーも追い出されてしまい。さらに私生活でも兄弟が亡くなったり、二度目の奥さんと別れちゃったり。弱り目にたたり目。今年に入ってストーン・テンプル・パイロッツの再結成ツアーがスタートしたりしているものの、どうなっちゃうのかなぁ。心配でなりません。

そんなスコットの、10年ぶりのソロ・アルバムが出た。前ソロ作『12バー・ブルース』同様、バンドでの表現とはアプローチが違う、持ち前のポップ・センスをわかりやすく炸裂させた仕上がり。ビートルズ、ザ・バーズ、トム・ウェイツ、デイヴィッド・ボウイ、ピンク・フロイド、ドアーズ、エルヴィス・コステロなど、相変わらず多くの先達から学んだおいしい要素を咀嚼しながら、アタック感と切ないメロディ感覚がいい案配で共存する音世界をていねいに構築してみせる。

歌詞はまだちゃんと把握していないけれど、“同じところをくるくる回っているばかりバカだと思っているんだろう、こんな生活にはうんざりだ、俺はここから出て行く…”的な表現があったり、“みんなが俺を待っているから、行かなきゃならない”みたいなことを歌っていたり。揺れてます。でも、これが正直な現状報告なのかも。けっこうぐっときます。これだけやれるんだから。もうちょっとお利口さんに暮らせないものでしょうか。まあ、それがスコットだと言われたら、それまでなんだけど(笑)。

ダグ・グリーンとスコットとの共同プロデュース作。ポール・オークンフォールドと組んでボウイの「フェイム」をカヴァーしたりもしてます。1枚ものと2枚組デラックス・エディションがあって。2枚組のほうにはエクストラ・トラック10曲を追加。

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