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Disc Review

Diamonds in the Asphalt / Truckstop Honeymoon (Binky/Grey Dog's Records)

ダイアモンズ・イン・ジ・アスファルト/トラックストップ・ハネムーン

去年の夏ごろ、アメリカのインディーズからリリースされた盤だけれど。なんと1年半経って、今月、日本盤が出たそうで。びっくり。ということで、このタイミングでご紹介。

ニューオリンズのストリートでバレルハウス・ピアノとウォッシュタブ・ベースを弾いていたケイティと、バンジョーをパンキッシュにかき鳴らしていたマイクとが出会って結婚したのが02年。とともに誕生したのがこの夫婦ユニット、トラックストップ・ハネムーン。すでに4~5枚アルバムをリリースしていて……と、けっこう曖昧なこと言ってるのは、実際ぼくは3枚しか持っていないからなんだけど(笑)。

すでに今年の夏に新作が出ている。本盤はそのひとつ前のアルバムにあたるのだけれど。悪くないチョイスだ。このアルバムが今のところトラックストップ・ハネムーンの良さをもっとも効果的に凝縮した盤だから。ロカビリー、ザディコ、カントリー、フォークなどの要素をいきいきとユーモアたっぷりに融合しつつ、愛と喪失と家族と旅と……アメリカのロードハウス系ツアー・バンドならではの世界観をいい感じで表現してみせる。

マイクさんは熱心なネオアコ・ファンには有名らしいオーストラリアのザ・マン・フロム・デルモンテのメンバーだった人で。ソロ・アルバムも多数出している。なのでマイク寄りの視点で味わうべきユニットなのだろうけど。このユニットをいきいき躍動させているのは間違いなく生粋のニューオリンズ娘、ケイティの個性。メンバーの大半がカナダ人だったザ・バンドに、たったひとりの南部男、レヴォン・ヘルムがいたことで揺るぎない実体を持てた、みたいな。まあ、ちょっと大げさに言えばあの感じに近い気がする。いいユニットです。

ほとんどがケイティ&マイク夫妻によるオリジナル。映画『絢爛たる殺人』の挿入歌「ロータス・ブロッサム」と、ディック・ロバートソンをヴォーカルに据えたピーター・ヴァン・スティーデン楽団のヒット「ホーム」(ベンチャーズがファースト・アルバムでやってたあの曲です)という2曲の30年代ナンバーのカヴァーもいい味出してます。

-Disc Review

© 2020 Kenta Hagiwara